言葉の庭 5月の企画 「私、もう○○を我慢しません」より「私、もう死ぬ時に後悔したくないから今を我慢しません」
憧れの女性がいます。
それは、料理家の栗原はるみさんです。料理が好き、と言うだけではありません。はるみさんの育った場所や家族すべて含めて、私は惹かれます。
1996年創刊の『haru-mi』
「暮らしと生き方」をコンセプトに出版され、私は発売当初から夢中になった一人だ。
料理もさることながらはるみさんの書かれるエッセイが好きだった。
静岡県下田市で、印刷業を営む家に生まれ、優秀な兄と料理上手のお母様に囲まれて育った、どこにでもいるような、おとなしい少女が後に栗原玲児
(元NHKアナウンサー)さんと出合い、「僕の帰りを待つだけの女性にならないで」の言葉で料理家としての道を歩み始める。
私にはその人生が、まるでシンデレラストーリーのように思えた。
そして雑誌の中の写真に自分を重ねて楽しんでいた。
はるみさんの料理は、決して完璧を求めないところにある。
技術よりも、愛情と思いやりのエッセンスがさりげなく散りばめられている。料理を盛る器やそっと添えられた花にまで優しさが宿っているように感じられる。
まさに人柄が表れている雑誌。
私は、料理だけでなく暮らし方や生き方そのものをはるみさんから学ばさせてもらった気がする。
愛する夫、栗原玲児さんを七年前に失し、心を病んでいるかのような姿をテレビで見て驚いた。
あぁ、この人も悲しみを全身で受け止め、隠すことなくさらけ出している普通の人なんだと、
だからこそ、どうか立ち直って欲しいと祈らずにはいられなかった。
それから何年経った頃だろう
朝の番組に映るはるみさんは、もうあの頃の憔悴仕切った表情ではなかった。
80歳を前にして、なお意気盛ん、
『やりたい事100のリスト』を作り、新しい挑戦をつづけているという。
エレキギターにも夢中で、その熱心さはプロも舌を巻くほどだとか、
「私、もう時間がないの、だから二倍速、三倍速で、やりたいことやるの」
その言葉に、私は胸を打たれた。
かつて人見知りのどこにでもいるような少女が、歳月を重ね芯の強い女性になっていく様
その姿は、やはり今も私の憧れだ。
私も、死ぬときに後悔はしたくない
だから今を精一杯生きたい。
栗原はるみさんを目標に、いくつになっても、自分らしく煌めいている人になりたい。
そう強く感じた日でした。
終わり
かぜの帽子さん 初めての課題に挑戦しました。メンバーシップに快く加えてくださり御礼申し上げます。このお題、私としては、考えさせられました。色々と…、(笑)
