東京・参宮橋『yoshida coffee sangubashi』【ターナーのラテ散歩】
※情報は「カフェレス2026年冬春号」に掲載されたものです。
東京は参宮橋。大都会の中心にありながらも、商店街の喧騒を少し離れれば、生活の気配とゆるやかな時間の流れが感じられる、洗練された場所。そんな場所に『yoshida coffee sangubashi』はあります。
今回のターナーのラテ散歩では、その温かな人柄に触れるだけで心が動かされる、オーナー・吉田佳照さんの世界観とラテの魅力をお伝えします。その場にいるだけで、吉田さんのつくる心地よい時間に自然と溶け込める感覚を、少しでも感じていただけたら嬉しいです。
yoshida coffee sangubashi
住所/東京都渋谷区代々木4-21-12
営業時間/8時~17時(土曜日・祝日は17時まで)
定休日/月曜日、日曜日
客単価/970円 規模/6坪・7席(テラス3・4席)
yoshida coffee sangubashiに到着


ターナー(以下T)ジョバンニさん!(吉田さんの愛称)こんにちは!
吉田さん(以下Y)ターナーさん、こんにちは。元気だった?
T もちろん元気です! 今日はジョバンニワールドを感じにきました、笑。
Y なにそれ?笑 でもありがとうね、来てくれて。
T お忙しい中、本当にありがとうございます。早速なんですが、ラテをいただきたいです。
Y ホット? アイス?
T ホットでお願いします。あ、可愛いペーパーカップで飲むのもいいんですが、今回はマグでもいいですか?
Y もちろん大丈夫ですよ。
T 僕が今回ぜひ取材したいと思ったのは、何よりもジョバンニさんの人柄の素晴らしさです。技術も然ることながら、それ以上に、この場所で生まれる独特の空気感に寄り添うように佇んでいる姿が、とても印象的でした。これまでお店を訪れるたびに、「技術は見せつけるものではない。空気のなかで、ふと伝わるものだ」。そのような哲学が静かに息づいているのを、いつも感じています。
Y 嬉しいこと言ってくれるねぇ。ありがとう。なんかね、すごくお客さんにお世話になってるんですよ。みんな心が大きいし、愛してくれてるし。だから僕は自然体でいられるんじゃないかなぁ。どうぞ、ラテできましたよ。

T うわ、すごいラテが出てきましたね。アメリカンスタイルで描かれたロゼッタレボリューション。では、いただきます。
Y ごゆっくり。
T 飛び抜けて美味しいです。心地よく飲めちゃうから、おいしさも倍増ですね。
(お客様が「コルタド」を注文)T 僕もそれ飲みたいです。グラス、めっちゃおしゃれ。
Y でしょ。少々お待ちを。
T ジョバンニさん、コルタドってどんなイメージで淹れてるんですか?
Y 牛乳少なめ、量も少なめのストロングラテ。
T シンプルでわかりやすいですね!
Y 飲み方とか中身を難しく説明すると、お客さんって〝なんか違う〞ってなるんですよ。空気感の話ね。楽しく簡単に行ったほうがストレスないし。説明をしても、結局それだけじゃ味はわからない。すんなりコーヒーを飲んでもらうことが大事なんじゃないかな。「海外で飲まれてるよー」とか「量がちょっと少なめの、濃いめのラテだよー」くらいがちょうどいい。
T ほんとにそれ。話せば話すほど、お客さんって混乱しちゃうこと多いですよね。
Yもちろん、「この豆のフレーバーがどう」とか、そういうのも大切だと思うよ。でも、それを説明してくれる人たちって他にたくさんいるし、それは僕の役目じゃない気がするんだよね。
T 僕はジョバンニさんの考える動作や、発せられる言葉から、いつも一貫性を感じ取れます。その一つひとつが、まるで自然に調和しているかのようで、とても心地よく感じられます。
――技術や表現の奥にある思いや哲学が、静かに、でも確実にお客様の心に届く――その景色を見ていると、僕も胸が温かくなります。この空気感、ジョバンニさんの世界観が映し出す時間を、本当に多くの人に体験してほしいと、改めて強く思いました。
Y ありがとう。でもね、忙しいときはほんとーーに大変だけど、それ以上に、喜んでくれるみんなの顔を見ると元気が出ちゃうんだよね。はい、どうぞコルタド。

T いただきます。
エスプレッソの香りと濃さがしっかりありつつ、ミルクのやわらかさと絶妙に調和していて、とても心地よく飲めます。クイックに飲みながらも、エスプレッソの甘くてフルーティーな味わいがしっかり感じられるのが嬉しい。

――ふと店内を見渡すと、あちらこちらにお花が飾られている。〝これもらっていただけるかしら?〞といろんなお客さんが置いていってくれるんだよね、と自慢げに話すジョバンニさんの姿が目に入ります。その姿を見て、〝僕もこうなれたらいいなぁ〞と、改めて自分の進むべき道を確認できる、素敵なラテ散歩となりました。
皆さんもぜひ足を運んでみてください。

※情報は「カフェレス2026年冬春号」に掲載されたものです。
