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点群は時間を持っている— 空間翻訳社の考え


点群データは、静止した情報として扱われることが多い。

ある瞬間の空間を切り取っただけの記録。

しかし実際に扱っていると、それは少し違って見えてくる。

点群には“時間”が含まれている。

正確には、1つの点群が時間を持つのではない。

異なる時点の点群を重ねることで、空間の変化として時間が見えてくる。


■同じ場所でも、同じ点群は二度と取れない


Autodesk ReCapで期間を空けて取得した点群を開くと、すぐに気づく。

* 施工が進んでいる
* 物の位置が変わっている
* 仮設が追加・撤去されている
* そもそも人がいるかいないかが違う

同じ場所であっても、同じ状態の空間は二度と存在しない。

つまり点群は、空間の形状を記録するだけではなく、

その瞬間の状態を記録している。


■時間を見るためには、1回の点群では足りない


1つの点群が記録できるのは、その取得した瞬間だけだ。

そこには「今、この瞬間の空間」は存在する。

しかし、変化を見るためには複数の時間が必要になる。

空間翻訳社では、点群とBIMの統合を3つの時間軸で考えている。

* 計画時:既存空間の状態を記録する
* 着手時:施工によって変化する途中経過を記録する
* 完成時:最終的な状態を記録する

この3つの点群をAutodesk Navisworks上で重ねることで、単なる比較では終わらない。

そこに現れるのは「差分」ではなく、

空間がどのように変化していったのかという時間の記録である。


■BIMと点群が持つ時間は違う


BIMは、未来の空間を定義するための情報を持っている。

* 完成形を設計する
* 部材や設備の情報を持つ
* 工程情報を付加することもできる

BIMが扱うのは、これから作られる空間の時間だ。

一方、点群が扱うのは、実際に存在した空間の時間である。

* 計画時の現況
* 施工途中の状態
* 完成後の姿

点群は、現実に起きた変化を記録する。

だからこそ、BIMと点群を組み合わせることで、計画と現実の間にある変化を見ることができる。


■点群が“時間を持つ”という意味


点群に時間があるというのは、単なる比喩ではない。

それはこういうことだ。

* 同じ空間でも状態は変わる
* 変化の痕跡が残る
* その変化は比較によって初めて見える

1つの点群は「瞬間」を記録する。

複数の点群を重ねることで、その瞬間と瞬間の間にある「変化」が見えてくる。

つまり点群は、単体ではなく時間軸を持たせることで、より大きな意味を持つ。


■空間翻訳社の考え


私のアプローチは、空間を静止させない。

* 点群は一度きりの記録ではない
* BIMは固定された正解ではない
* 両者を重ねることで、空間の変化が見える

目的は「正しいモデル」を作ることだけではない。

空間がどのように変化していくのかを扱える状態にすること。

計画から着手、そして完成まで。

その過程そのものを記録し、読み解くこと。

それが空間翻訳社の考えである。


■結論


空間は止まっていない。

建物も、現場も、作業も、常に少しずつ変化している。

点群は、その一瞬を切り取ったものではある。

しかし、異なる時間の点群を重ねることで、初めて「時間の流れ」として見えてくる。

空間翻訳社が扱いたいのは、完成した形だけではない。

そこに至るまでの変化も含めた、空間そのものである。



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