点群処理はPC性能で決まる。現場で私が学んだ本当の課題
「マニュアルを見ながらやってみて。」
私が初めて大規模な点群処理を任されたとき、かけられた言葉はそれだけだった。
私は、それでは技術者は育たないと思っている。
以前、私は点群モデリングを前提とした環境で仕事をしていた。
ある日、ライカの点群処理ソフト Cyclone REGISTER 360 を使った作業を担当することになった。
渡されたのは、約100スキャン規模(100機械点)の点群データ。
操作方法の説明は一切なく、マニュアルだけを渡された。
さらに、データの結合状態にも課題があり、ノイズ処理を進めようとしても、ソフトは何度もフリーズする。
原因が操作なのか、データなのか、PC環境なのかも判断できない。
それでも、作業を止めるわけにはいかなかった。
そして返ってきた言葉は、
「どうしてこんなに時間がかかったの?」
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点群処理ソフトは、一般的なCADソフトとは求められるPC性能が大きく異なる。
特に Cyclone REGISTER 360 は、大容量の点群データを扱い、位置合わせやノイズ処理を行うため、高性能なCPU、大容量メモリ、高速SSDなどが求められるソフトだ。
私は冗談交じりに「戦車並みのスペックが必要なソフト」と表現している。
それほどPC性能の影響を受けやすい。
性能が不足すれば、処理時間が延びるだけではない。
画面が止まり、処理待ちが続き、最悪の場合はフリーズして作業をやり直すことになる。
そんな環境では、担当者の能力よりも、PC環境やデータ品質が作業時間を左右してしまう。
それなのに、「時間がかかった」という結果だけで評価されてしまう。
私はそこに、大きな違和感を覚えた。
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私はこの経験で強く思ったことがある。
技術者の作業時間は、本人の能力だけでは決まらない。
* 使用するPCの性能
* ソフトウェアの動作環境
* 元データの品質
* 作業手順の整備
* 操作教育の有無
これらが揃って初めて、作業時間や品質を正しく評価できる。
逆に言えば、環境も教育も整っていない状態で結果だけを求めても、その評価には意味がない。
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私が現場で扱ってきたのは、現場で意思決定に使われる空間データである。
Cyclone REGISTER 360を使った登録・ノイズ処理が必要になるようなレーザースキャン点群は、一般的な3Dデータとは求められるPC性能も作業手順も大きく異なる。
だからこそ、データ品質や作業環境が成果に与える影響を、私は現場で身をもって経験してきた。
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決して楽しい経験ではなかった。
環境も整わず、教育もない中で試行錯誤を繰り返し、心身ともに大きな負担を抱えることになった。
それでも、あの現場で得た経験は決して無駄ではない。
点群処理ソフトがどれほどPC性能に左右されるのか。
データ品質が作業効率をどれほど左右するのか。
そして、技術者は「根性」では育たず、適切な環境と教育によって育つということ。
私は、成功する現場だけではなく、失敗する現場も見てきた。
だからこそ、空間翻訳社では「とりあえずやってみて」ではなく、現場に合ったワークフローと、安心して仕事ができる環境づくりを大切にしたいと考えている。
あの経験があったからこそ見える課題がある。
あの経験があったからこそ、防げる失敗がある。
あの経験で得た判断力は、これからの空間翻訳社の仕事にも必ず生きる。
私は、技術者を根性論で育てる現場ではなく、安心して力を発揮できる環境をつくる側でありたい。
点群処理やBIMのような大容量データを扱うには、PC選びも仕事の品質を左右する重要な要素になる。私が現在考えている制作環境については、こちらの記事で詳しく紹介している。
必要なスペックは、やりたい仕事から逆算する──空間翻訳社の制作環境を整えるまで
