届いた。でも、まだ動かない。新品PCを前にして端子で止まった話
待ちに待ったワークステーションが届いた。
これで、点群もBIMも快適になる。
そう思っていた。
しかし、私は数万円の機械を前に、数千円のケーブルで止まった。
箱を開けて、本体を設置する。
あとはモニターにつなぐだけ。
……のはずだった。
ところが、ここで止まった。
モニターはHDMI。
パソコン側はDisplayPort。
手元の変換アダプターは、方向が合っていなかった。
一見すると、全部そろっているように見える。
でも、つながらない。
「あと一本なのに」
そんな状態になった。
エアコンは効いているはずなのに、顎から汗が落ちた。
普段、BIMデータや点群データの組み合わせを考えているのに、自宅ではケーブル規格の違いで手が止まった。
まずは自分で調べる。
調べれば調べるほど、似たような名前の規格が出てくる。
DisplayPort、HDMI、変換アダプター、双方向対応……。名前は似ているのに、できることは違う。
便利になったはずの世の中なのに、接続するための知識はむしろ増えていく。
人間はいつまでたっても「つなぐ」ことに悩むらしい。
作業を中断して、近所の家電量販店へ行った。
必要なケーブルを探すためだ。
「これで解決するなら買おう」
最初はそう思っていた。
でも、値札を見て少し考えた。
見つけたケーブルの値段は約5,000円。
5,000円のケーブルを前に、脳内会議が始まった。
本当にこれで合っているのか。
もし違っていたら、ただ高いケーブルが増えるだけになる。
結局、買わずに帰った。
帰宅後、メーカーサポートへ問い合わせをした。
構成を確認して、本当に必要なものを聞いてみることにした。
ただ、今日は土曜日。
サポートも休み。
返事は月曜日まで待つことになった。
Amazonで、2,000円くらいの候補のケーブルを買い物かごに入れた。
メーカーからの返事次第で、購入ボタンを押すか決める。
今できることは、もうない。
月曜日を待つしかなかった。
そう思ったら、急に力が抜けた。
せっかくの週末なのだから、パソコンのことで頭をいっぱいにするより、少し休もう。
そう切り替えた。
家電量販店からの帰り道、ホームセンターに寄った。
そして買ったものは、ケーブルではなく、小さな観葉植物だった。
459円。
私のワークステーションはまだ動いていない。
でも、机の横には新しい緑が増えた。
⸻
今回のことで思った。
「つなぐ」というのは、簡単そうで難しい。
点群とBIM。
現場と設計。
人とデータ。
それぞれが存在していても、間をつなぐものが合わなければ動かない。
だから、間を整える仕事が必要になる。
空間翻訳社が目指していることも、きっとそこにある。
とはいえ、その前に自宅のモニターをつながないと始まらない。
ワークステーション、本格稼働まではもう少し時間がかかりそうだ。
