青き想いは永久に煌めく
【名盤ひとりごと】スーパーカー/スリーアウトチェンジ
1.1997年、スーパーカーとの出会い
二十歳前後の頃の僕は、高校を卒業し、家から近くて給料が高いというだけの理由で就職した印刷工場で、充実感も無く、ほとんど惰性だけで働きながら、曖昧な絶望感を抱きながら、日々を過ごしていた。
音楽は好きだった。音楽を聴いている時間は現実から逃れられる。
実家暮らしでお金と時間はあった。気に入ったCDを好きなだけ買った。
お気に入りのCDショップは、商品数が多くオススメPOPが素敵で、視聴出来る種類も豊富なタワーレコードだったのだが、一番よく通ったのは近所の商業ビルに入っていた新星堂。スーパーカーとの出会いも新星堂だった。
その時既に数枚のシングルリリースを経て、1stアルバムのリリースというタイミングだった。オススメPOPには、きっと店員さんの、熱いオススメコメントが書いてあったのだと思う。赤・青・白の、シンプルなトリコロールカラーの特徴的なケースにも魅かれた。直ぐに視聴機に向かった。
流れてきたのは、聴いたことのないバンドサウンドだった。ギターポップという括りになっていたけれど、聴こえて来たのは声を張らない、やる気のなさそうなヴォーカル(その当時の僕はシューゲイザーなんて知らないのだ)。なのにキラキラと輝く、青い衝動に満ち溢れたサウンド。何曲か聴いて、直ぐに買うことを決め、レジカウンターで会計を済ませた。
家に帰り、何度も聴いた。しばらく他のCDを聴かなかったと思う。
それぐらい猿のように繰り返し聴いて、1人でライブにも行くようになった。何度も行った。当時のファンは皆、「バンドやるならこんなバンドがやりたい」そう思っていたと思う。たぶん、だが。
あれから20年以上が経過するけれど、その後発表されたアルバムも全て素晴らしいけれど、曖昧な絶望に、キラキラとした青くて純粋な輝きで、少し前向きにしてくれた、このアルバムが僕の中ではNo.1だ。その煌めきは今も損なわれていない。だからこそ、過去の存在になってほしくない。
まだ聴いたことが無いのなら、是非、聴いてほしい。
特に、曖昧な絶望感を感じている若者がいるなら、是非、聴いてほしい。
2.ざっくりバンドとアルバム紹介
スーパーカーは青森県出身の4人組ロックバンド。
デビュー当時はギターポップに括られていたが、少しずつブレイクビーツやエレクトロニカ、アンビエントなどの影響を強めて行った。
主な作曲はナカコー、作詞はいしわたり淳治。
1997年にデビューし、2005年に惜しまれつつ解散。
ナンバーガールやくるり、中村一義らと共に、1997年デビュー組とも言われていた。それぞれが強い個性を持ったアーティストだ。
その他、細かくはウィキかググるかして下さい・・・。
スリーアウトチェンジは19曲入りの1stアルバムだ。おそらくCDの容量いっぱいまで、デビュー前に作った楽曲を詰め込んだのだと思う。
【オススメ楽曲】
M1. Cream Soda
1stシングルであり、アルバムの1曲目でもあるこの曲は、スーパーカーというバンドの始まりに、本当にピッタリな楽曲だった。今聴いてもワクワクする、イントロの歪んだギターのフレーズと、「ずっと向こうのその先に、きっと自由があるのにね」という歌詞が印象的な作品。
M4. DRIVE
シンプルなアレンジとポップなメロディ、ミキの飾り気のない、甘く純粋なヴォーカルも相まって、バンド屈指の人懐っこい楽曲と言えると思う。
ギターの弦をスライドする時の「キュッ」という音がアクセントになっていて、一聴してシンプルなアコースティックアレンジのようで、実は何本もギターを使用することで、音に厚みを出している。
M8. Lucky
初期スーパーカー屈指の名曲。青臭くて、繊細で甘酸っぱい、未熟な若者の恋愛。シンプルなサウンドとメロディ、ミキとナカコーの男女ツインヴォーカルの掛け合い、ジュンジの詞、全てのバランスが完璧だと思う。バンドマジックとは、この楽曲の為にある言葉。当時それぐらいに思っていた。
そんな名曲なのに、MVは何故かデーブ・スペクター氏の曲紹介から始まるというシニカルさ。それもまた、スーパーカーらしさだった。
M15. PLANET
個人的に、今でも1番好きな曲。一生聴き続けるんじゃないかと思う。
二十歳前後の複雑な心理状態を、イントロの繊細で荘厳な、ストリングスの不協和音を表現(僕がそう思っているだけです)。この曲もメロディはとてもシンプルなバラードなのだけど、ストリングスの使い方と、楽曲の空気感に寄り添った、郷愁を感じさせる歌詞が秀逸だ。「どうせダメだよ泣いてたって、愛を懐かしむだけさ」...一見後ろ向きなようで前向き。それもスーパーカーというバンドの在り方を、とてもよく表現していたと思います。
※MVがショートバージョンしか見つけられず、残念。
3.まとめ
結局個人的な思い入ればかりになってしまいましたが、とにかく聴いてもらいたいということで、オススメ曲は全てシングルリリースされている楽曲を選びました。とは言え、アルバム19曲全てにデビュー当時のスーパーカーの魅力が詰まっています。全曲通して聴いてほしい、それが本当のところです。初noteなのと、内容が内容なのでダラダラと長文になってしまいましたが、これでもまとめた方。語り始めると切りが無いので。
もしお読み頂けた方がいましたら、本当にありがとうございました。
今後はもっと読みやすくするよう心掛けます。
それではまた。
