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読書会第233回 安部公房、あるいはお好きな作家

今回のテーマについて

今回のテーマを「安部公房、あるいはお好きな作家」とした理由がある。
二年前に行った企画に「作家の命日に読む」というものがあった。
生誕ではなく死を基準とする理由は、偉大な作家の死を悼みつつ、その業績を確認する意図があるからだ。

一月は安部公房が亡くなった月である。
しかし当時、その企画では安部公房を取り上げることができなかった。
そのこともあり、今年は「作家縛り」の多くを、作家が亡くなった月に合わせて構成することにした。
今回の安部公房読書会は、その流れの中にある。

紹介された本

紹介された作品は以下の三作。
『カンガルーノート』
『デンドロカカリヤ』
『密会』

『カンガルーノート』を紹介された方は、安部公房の新潮文庫をすべて所持しているファンだった。
『デンドロカカリヤ』を紹介した方は、大学の同級生がゼミ発表でこの作品を取り上げていたことをきっかけに、読んだという。
必ずしも「安部公房ファン」ではないところが、この読書会らしい。

私は先月『密会』を読んでいたものの、正直なところ、内容を十分に理解できていないという感覚があった。
そのため当初は発表を控えるつもりでいたが、二人目の方も安部公房を取り上げたため(卒論のテーマが三島由紀夫だったので、三島が来るかと思っていた)、作品同士の「繋がり」を重視して『密会』を紹介することにした。

さらに、不条理という観点から、藤枝静男の『田紳有楽』を追加で紹介した。
二人とも藤枝静男のことは知らなかったが、特に安部公房の熱心な読者の方には強く刺さったようだった。
もう一つ、夢と現のあわいを描く作品として、吉田健一の『金沢』も紹介した。 安部公房ファンの方は金沢在住で、この作品が好きだと言っていたのが印象的だった。

課題本ではなく作家縛りにしたのは、主要作はほぼ一巡し、また、好きな作家であっても全作品を読破している人は少なく、まだ見ぬ名作に出会える余地があると考えたからだ。

まとめ

この読書会では、参加者にはできるだけ自由に話してもらい、私は課題作家に関連する作家や作品を紹介する役に徹している。
目的は、新たな作家・作品との出会いをつくること。
そのための「繋ぎ役」として、今後も場に価値を提供していきたいと、あらためて思った。

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