子どもと家族の話を、ちゃんとできる場所をつくりたい── にじいろかぞく × by for the rainbow 対談
話し始めたら止まらなかった、対談の時間
こんにちは、by for the rainbow編集部です!
先日、by for the rainbow と にじいろかぞくで対談を行いました。
参加したのは、
by for the rainbow :代表の大関、青木(司法書士)、井邊(FP)、ひがし(都議)
にじいろかぞく:共同代表の小野 春さん、青山 真侑さん
法律やお金、制度、子ども支援と、それぞれ専門も立場も違うメンバーですが、話し始めると、驚くほど話が尽きませんでした。
LGBTQ+のこと、家族のこと、子どものこと。
どれも簡単なテーマではないはずなのに、場の空気は終始やわらかく、「それ、わかる」「うちもそうだった」という声が自然に重なっていきます。
今回は、その対談で交わされた話をもとに、
にじいろかぞくと by for the rainbow がどんなことを考え、どこを見つめているのかを、少し整理してお届けします。

右:by for the rainbowメンバー
にじいろかぞくとは
にじいろかぞくは、こどもを育てている/育てたいLGBTQ+当事者と、そこで育つ子どもを中心に、周辺をゆるやかにつなぐことを目指して活動している団体です。
当事者が安心して繋がれる居場所作り、そして、多様なファミリーのかたちが「あたりまえ」になる社会を目指して講演や、自治体への働きかけを行っています。
同性カップルで子育てをしている家庭、これから子どもを迎えたいと考えている家庭、そして、LGBTQの親を持つ子どもたち。
「家族のかたちはひとつじゃないよね」という感覚を大切にしながら、居場所づくりや社会に向けた発信、学校や地域との橋渡しを続けてきました。
特徴的なのは、「こうあるべき」を決めすぎないこと。
いろいろな立場の人が少しずつ混ざり、その都度バランスを取り直していく。にじいろかぞくは、そんなひらいた姿勢を大切にしてきた団体です。
HP:https://rainbowfamily.jp/
X(Twitter):https://x.com/nijiiro_kazoku
Facebook:https://www.facebook.com/rainbowfamilyjapan
この活動を続けてきた、ふたりのこれまで

小野 春さん
にじいろかぞく 共同代表
パートナーとともに、実子ふたり、パートナーの娘を含む5人のステップファミリーとして暮らす。3人の子は現在、全員成人。
子育てをしていた当時は、同じ立場の人と出会うこと自体が難しい時代で、
「子育ての話ができるママ・パパ」と「LGBTの話ができる友達」は、それぞれ存在していたものの、その両方を同時に話せる相手がおらず、
LGBTQファミリーならではの悩みや迷いを、安心して話せる場所が必要だと感じたことをきっかけに、にじいろかぞくを立ち上げ。
団体は今年で15年目を迎え、2025年にNPO法人化。
「結婚の自由をすべての人に」訴訟・東京一次訴訟の原告のひとり。
著書に「母ふたりで”かぞく”はじめました。」(講談社刊)
青山 真侑さん
にじいろかぞく 共同代表
1998年に出会った同性パートナーと、ゲイの友人から精子提供を受けて出産。27年連れ添うパートナーと、14歳になる息子と暮らす。
昨年、パートナーの父が亡くなり、相続の問題が一気に身近なものとして立ち上がるなど、老後の暮らしや、親の看取り、看護、相続といったテーマにも向き合う日々。
にじいろかぞくのイベント企画・コーディネートや広報宣伝を担当。
問題は、家庭の外とのあいだで起きていることが多い
対談の中で、何度も共有された感覚があります。それは、「問題って、家庭の中じゃなくて、外とのあいだで起きることがとが多いよね」というものです。
家庭の中は、案外、穏やか。
子どもも、親が思っているほど、親のセクシャリティを気にしていないことが多いそうです。
母ふたりで子育てをする、にじいろかぞくの会員さんからは、「子どもに“うちって平凡な家でよかった”って言われました」という声が聞かれました。
また、青山さんのお子さんが同性婚のニュースを見ながら、「そういえば、俺のお母さんたちって同性愛者だった!」と言い、親が思わず「え〜〜!?」と笑ってしまったという、ほのぼのしたエピソードも。
「パパはどこにいるの?」という素朴な疑問はあっても、それが家庭の不安定さにつながるわけではありません。
むしろ違和感が生まれやすいのは、学校や書類、制度、周囲の目など、家庭が社会と接続した瞬間です。
「かぞく」の関係が良好だからこそ、親には言えないモヤモヤを抱える子どももいるのかもしれません。(これはLGBTQ+に限らず、さまざまな家庭に言えることかもしれません。)
そんな背景もあり、昨年、にじいろかぞくでは、「同じ立場のこどもたち」どうしで、それぞれの感じていることや経験を語りあう時間をつくる「こどもサミット」を開催しました。
「ここで話をしたことは、保護者には伝えないよ」
と子どもたちと約束したので、実際、なにが話しあわれたのかは、わかりません。
ただ、一度立ち止まって話せる場所があること。
それが、子どもにとっても、親にとっても、安心につながるのかもしれませんね。
にじいろかぞくのおふたりは、こう語ります。
「家庭の中で起きたことを受け止める役割も担いながら、同時に、家庭と社会のあいだに立つクッションのような存在でありたいと思っています。」
制度はできた。でも、家族のかたちはまだ途中
対談では、パートナーシップ制度の話題にも自然と話が及びました。
東京都のパートナーシップ制度は、LGBTQ当事者が社会の中で不利益を受けないようにするため、「当事者本人」を主語にして設計された制度です。
とても大切な一歩であることは、間違いありません。
一方で、制度は二者間の関係を前提としています。
そのため、子どもとの関係や、相続、親族との関係といった部分までは、法的に守られていない場面が多く残っています。
制度が悪い、という話ではなく、想定されていなかった「足りない」領域がある、という事実。
そのすき間に、家族のリアルな困りごとが生まれていることを、現場にいる人たちは実感しています。
子どもを迎えることと、子どもを守ることは別の話だった
大関が by for the rainbow を立ち上げた背景にも、同じ感覚があります。
子どもを持つ方法についての情報は、少しずつ増えてきました。
でも、生まれてくる子どもをどう守るのか。
制度が守らない現実の中で、どう備えるのか。
そこに光を当てた情報は、まだ多くありませんでした。
LGBTQファミリーの中で、準備不足からトラブルが起きたり、子どもが宙づりの立場になってしまったりする現実を、何度も目にしてきました。
「制度がないなら、自分たちで守る方法を伝えよう」
「安心して相談できる場所をつくろう」
そうして始まった by for the rainbow の活動は、今回の対談を通して、
にじいろかぞくと同じ方向を向いていることをあらためて確認できた時間でもありました。

話してみたら、同じ方向を向いていた
対談の終盤、誰かが「じゃあ、これ一緒にやりません?」と言い出したわけではありません。
ただ、話しているうちに、自然と同じ場所にたどり着いた。そんな感覚でした。
にじいろかぞくが見てきたのは、子どもたちの声や、家庭の中のリアルな暮らし。
by for the rainbowが向き合ってきたのは、制度が守らない現実の中で、どうすれば家族を守れるかという問い。
テーマは違うようでいて、
どちらも「家族が安心して暮らせること」を真ん中に置いている点では、
ずっと同じ方向を向いていました。
だったら、子どもの話も、親の話も、気持ちの話も、制度や備えの話も、全部ひとつの場で、ゆっくり話せたらいい。
そんな思いが重なって、今回の合同イベントを行うことになりました。

子どもと家族のこれからを、一緒に考えるイベント
今回のイベントでは、自分の人生の選択肢をなんとなく漠然と考えてみたいなと思っているひとたちと、「自分」や「家族」と「子ども」をテーマにした自分と少し向き合ってみる時間を作れたらなと思います。
にじいろかぞくからは、子どもたちや家族と向き合ってきた中で見えてきたことを。
by for the rainbowからは、制度が守らない現実の中で、知っておくことで防げることや、今からできる備えについてもお話しします。
難しい話を一方的に聞く場ではありません。
「うちはこうだったよ」「それ、ちょっと気になってた」。
そんな会話が、自然に生まれるような時間を想定しています。
まだ子どもがいない方も、いまは迷っている方も、「いつか」のために聞いてみたい方も、大歓迎です。
【イベント概要】
4月11日(土)13:30~16:30
「LGBTQ+家族をファミリーになりたい/(いつか)なりたいかも?」と考えているLGBTQ +のための〝はじめの一歩〟講座
登壇:にじいろかぞく(小野 春さん、青山 真侑さん)/by for the rainbow(大関、青木、井邊、ひがし)

⑨ おわりに|話し続けること、その先へ
今回の対談を振り返って、あらためて感じたのは、
「答えを出すこと」よりも、「話し続けられる関係があること」の大切さでした。
家族のかたちは人それぞれで、正解はひとつではありません。
だからこそ、立場や専門が違っても、やさしさと信念を持った人たちが集まり、話が尽きなかった時間そのものに、大きな意味があったように思います。
にじいろかぞくと by for the rainbowは、これからも同じ方向を向きながら、それぞれの立場で、できることを重ねていきます。
4月11日のイベントは、その最初の一歩。
ここからまた、新しい対話が始まることを楽しみにしています。
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