生駒山・暗峠スナップ|牧場と森を巡る初夏のミニツーリング
6月の初旬。街中ではすでに紫陽花が咲き、見頃を迎えていた。
そんな頃、私の行きつけのカフェのマスターが、
しばらく眠らせていたバイクを一年ぶりに動かすという。
せっかくなら少し走りに行こうという話になり、
マスター夫妻と三人でツーリングに出かけることになった。
マスターはバイク・車が趣味で、
少し前の機種ではあるがデジタルカメラも持っている。
奥さんはフィルムカメラが趣味。
となれば、ただ走るだけでなく、途中で写真も撮れる場所がいい。
集合場所は、大阪外環状線沿いにあるカメラのキタムラの近くにした。
大阪の東部で、
バイクで走れて、写真を撮るのによさそうな場所。
そう考えると、自分の中ではまず暗峠が浮かんだ。
そこから生駒山へ入り、ちょうど咲き始めた紫陽花も見に行くことにした。
このあたりは自分の地元なので、先導役は自分である。
まず向かったのは、枚岡神社。
暗峠へ入る前に立ち寄れる、地元ではよく知られた神社であり、
写真を撮る場所としてもちょうどよかった。
山の麓の神社から - 枚岡神社


枚岡神社は、生駒山の麓に鎮座する神社で、
近鉄奈良線「枚岡」駅の改札を出てすぐ、境内に続いている。
本殿へ向かうには、石畳の坂道と階段をゆっくり登っていくのだが、
参道には巨木が立ち並び、その間から木漏れ日が差し込む。
山らしい静けさがあり、街中とはまるで空気が違う。
この神社の魅力は、どこかプリミティブな雰囲気にある。
深い森に包まれた境内は、人の手で整えられているにもかかわらず、
原始の森の中へ足を踏み入れたような感覚がある。
派手さはないが、静かな威厳を感じさせる場所だ。
私にとっては、地元なので見慣れた景色ではあるが、
生駒山麓を訪れるなら、ぜひ立ち寄ってほしい神社のひとつである。
山へ向かう - 暗峠

枚岡神社をあとにし、いよいよ山へ向かう。
大阪と奈良を結ぶ峠道「暗峠」は枚岡神社のすぐ近くにある。
生駒山のハイキングコースもそこから伸びている。
今回の目的地は、生駒山中腹にある「あじさい園」で知られるぬかた園地。まずはバイクで登れるところまで生駒山を登り、
そこから歩いて向かうことにした。
暗峠は国道308号線に指定されており、
全国的にも有名な道で、急勾配と狭い道幅から、
バイカーやサイクリストの間では日本一の「酷道」として知られている。


奥さんを後部座席に乗せたマスターと、
自分の二台のバイクでゆっくり坂道を登っていく。
山道を越えて奈良側に抜けると、景色が開け、美しい棚田の景色や、昔ながらの家屋がポツポツと並び、まるで昔のまま時間が止まっているかのような田園風景が現れる。
ファームでひと休み

途中、昼食を兼ねて「Egg café KURAGARI」で休憩した。
昔通ったときは養鶏場の印象が強かったが、
いつの間にかカフェや休憩スペース、キャンプ施設まで整備され、
小さなファームパークのような場所になっていた。
園内では、鶏のほかにも馬やポニー、
ヤギが飼われていて、餌やりや乗馬体験もできる。
山へ入る前の短い休憩のつもりだったが、
動物を眺めたり写真を撮ったりと、
思った以上に長居してしまった。





峠を外れて山道へ

暗峠を少し大阪側へ戻り、
ぬかた園地を目指してハイキングコースへ入る。
ぬかた園地は以前から行ってみたいと思っていた場所だが、
意外とアクセスが難しい。
電車と徒歩で気軽に行ける場所ではないし
(最寄り駅から徒歩40分くらいかかるらしい)、
道中の信貴生駒スカイラインはバイクでは通行できない。
生駒山のハイキングコースから向かう方法もあるようだが、
地元に住んでいる自分でも、どう行くのが一番分かりやすいのか、
いまひとつ掴めていなかった。
これまで何度か近くまで来たことはあったものの、
目的の紫陽花畑にはたどり着けずじまい。
今回は、ようやくその場所を目指すことになった。

暗峠のカフェの側からコースに入っていく。
そこは、岩や木の根が続く、本格的なトレッキングコースだった。
木漏れ日の中を歩き、
途中で生駒山パノラマ展望台に立ち寄りながら、
さらに尾根沿いにアップダウンを繰り返していく。

普段、車やバイクばかり乗っているマスターと自分は、
足場の悪い山道に悪戦苦闘。
汗をかきながら息を切らせて歩く一方で、
山ガールな奥さんは軽い足取りで先へ先へと進んでいく。
大量の汗をかきながら一時間ほど歩き続けると、
ようやく「あじさい新道」の入口が見えてきた。
その先に、今回の目的地であるぬかた園地が広がっていた。


森・自然を撮ること - ぬかた園地

1時間ほど歩いて、やっとのことでぬかた園地へ到着した。
園内には一面に紫陽花が植えられていたが、
生駒山の標高のためか、まだ見頃には少し早かったようだ。
昼下がりの陽光が差す中、
咲き始めた紫陽花を一輪ずつ探しながら歩いていく。

これまで自分が撮ってきたのは、街のスナップがほとんどだった。
建物や人、光と影を追いかけることには慣れている。
しかし、遠景に頼れない風景、
木々に囲まれた森の中で自然を撮る機会は、ほとんどなかった。
一方、奥さんは普段からフィルムカメラで花や自然を撮る人だった。
道端の小さな花に足を止め、虫を見つければしゃがみ込む。
その姿は、まるで虫取りに夢中になっていた子どものようだった。

そんな姿を見ていると、自分も「紫陽花」だけではなく、
その周りにある小さな自然へ自然と目が向くようになった。

ありふれた自然の中で、そんな小さな自然を探していると
遊歩道の脇でちょうどカマキリが卵から孵ろうとしているのを発見した。
何気なく通り過ぎてしまいそうな景色だったが、
こうした小さな自然との出会いは、思い返せば何年ぶりだっただろう。
そこからは、都会では見つけられない、
ありきたりじゃない自然の景色を目指して、視線を向けていた。






収穫と帰り道 ― 生駒
そうして、往復2〜3時間ほど山道を歩き、暗峠まで戻ってきた。
そこから再びバイクに乗り、生駒駅近くで少し休憩することにした。
山の中の自然にさんざん触れたあとの街は、
不思議と違って見える。人の往来や商店街の賑わいも、どこか新鮮だった。

立ち寄ったのは Ikoma honey&cafe。
生駒産の蜂蜜を使ったメニューが人気のお店で、
ハニートーストと蜂蜜入りのカフェラテをいただいた。
店員さんの明るい金髪が、蜂蜜のイメージによく似合っていた。
たっぷり歩いたあとだったこともあり、やさしい甘さが身体に染みた。

結局、朝から夕方までバイクで走った距離は、それほど長くなかった。
それでも、神社、峠、森、紫陽花、そして生駒の街。
一日の中で景色は何度も姿を変え、そのたびに被写体も変わっていった。
今回持ち帰ったのは、紫陽花の写真だけではない。
街を歩いているだけでは気づかなかった、
生駒山の時間や空気、
そして自然の中や街に向ける新しい視点や体験も、この日の収穫だった。

撮影メモ
📅:2026.06.01
📷:ASAHI PENTAX S2 + Auto Takumar 55mm f/2
🎞️:Kodak ColorPlus 200 , FUJIFILM 100
🧪:自家スキャン (Negative Lab Pro)
📷:(デジカメ)Nikon Coolpix P7800
普段は大阪の街や旅先の風景を撮りながら、
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こちらは都市公園に咲く薔薇の花と景色を記録しました。
ストリートスナップの撮り方を再認識した回です。
今回のぬかた園地は、どうやら石切からもハイキングコースが続いているようです。よければ、こちらの石切の春の景色もどうぞ
今回はバイクツーリングでちょっとした旅気分のスナップでした。
旅の風情をもっと感じる記事はこちらです。
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