茂木誠&宇山卓栄『日本人が知らない!世界史の原理』試し読み
ユダヤとパレスチナ、ロシアとウクライナ、反日の起源、中国共産党、ケルトとアイヌ、アメリカという病……現代の「闇」を、通史で解読!異色の予備校講師がタブーなしに語り合い、教科書に書けない国際情勢の深層に迫る
この記事では2024年3月1日発売の、茂木誠&宇山卓栄・著『日本人が知らない!世界史の原理』の「はじめに」を全文公開いたします。
はじめに
画期的な世界史通史の対談本!
終わらない戦争、政治と権力、マネーと儲けの構造、民族と国家、自虐史観。これらの隠された世界史の真相を、タブー視するばかりで、どの出版社もメディアも扱わず、まして、学校や教科書などでも、触れられることがありません。
現在、世界を見渡すと中東紛争、ウクライナ紛争、台湾危機、アメリカやヨーロッパの移民問題、迫りくる全体主義の脅威など、危機が連鎖的かつ同時多発的に起こっています。その危機の根源とは何か。いったい、世界はどのような原理で動いているのか。
本書では、その真相に迫ります。
日々のニュースを短期的に追うだけでは、決して真相は見えません。我々には、歴史という巨視的な文脈が必要であり、その文脈の中で、「現在」の真相もまた浮かび上がってきます。歴史は繰り返す。現在起こっていることは過去に起こったことの再現なのです。
本書は古代から現代までの通史を、対談形式で解き明かしていきます。通史の形なので、時代の流れを追いながら、初心者の方にも、世界史を一気通貫、俯瞰することができます。
茂木先生も私も長年、予備校講師として世界史を教えてきました。我々の対談の中で、日本人が知っておくべき、世界史のエッセンスを抽出し、煮詰めていきます。そして、何よりも対談だからこそ可能な多角的な視点と論点を確保しながら、その切磋琢磨により、教科書が教えない「現在」や「過去」の真相に迫ります。
また、本書では、古代から現代までの各時代ごとに、日本はどうだったのかということも掘り下げて対談するコーナーも設けており、世界史と同時に、日本史をも通史で学べるようになっています。
茂木先生とともに、「現在、起こっているニュース」に関連する「過去に起こった歴史」を重点的に取り上げ、それを徹底的に話し合い、その全体像を浮き彫りにしました。
「このニュースには、どんな歴史的背景があるのだろう」と多くの人が思っていても、報道では歴史的背景まで、伝えることはほとんどありません。そのニーズに応えるべく、独自の視点・論点を二人で考察し、一般の人にとって馴染みやすい事例に即して、対談をしました。
対談は各回ごとに楽しく、熱を帯びていきました。我々二人の熱がきっと読者の皆様にも大いに伝わり、読者の皆様ご自身が会話に参加しているかのような臨場感と高揚感で、読み進めてもらえるものと確信しております。
「世界史をもっと勉強しておけばよかった」
世界史は何歳からでも勉強できます。定年退職した人も、現役の人も。
本書は、中学程度の歴史の知識があれば、楽しく読むことができます。歴史の細かい知識を身に付ける本ではなく、歴史や現在に対する、広範な考え方や捉え方を、通史という大きな枠組みの中で、読者の皆様とともに、学ぶことを目的にしています。
従って、些末な歴史の知識や専門用語を、バッサリと削り、基礎的で普遍的な歴史事象のみを扱い、現在のニュースを考察しています。
歴史を俯瞰し、現在を知る。世界の構造は、我々が想像する以上に、驚きと発見に満ちています。
宇山卓栄
目次
第1章[古代]
東西の二大帝国と日本
①ユダヤ人の正体、中東危機の淵源(宇山)
・「約束の地カナン」
・バビロン捕囚とユダヤ選民思想
・キリストはなぜ、白人のビジュアルになってしまったのか
・「ユダヤ人ハザール人説」、陰謀論か真実か
・ユダヤ人を迫害したのはナチスだけではない
②ローマ帝国、移民によって栄え、移民によって滅ぶ(宇山)
・ローマ帝国が教える移民政策の光と影
・なぜ、ローマは覇権を握ることができたのか
・ゲルマン人という移民勢力
・移民が国を乗っ取る
・食糧調達のロジスティクス
③中華帝国の権力構造を言語から読み解く(茂木)
・皇帝とは、帝国とは?
・中国から独立できる地政学的環境を持っていた日本
・中国の不幸は巨大すぎること
・法家統治の秦と儒家統治の漢
・古文から白話、そして簡体字へ
④古代インド、アーリア人がもたらした宗教(宇山)
・今も残るカーストの身分制社会
・ヒンドゥー教とは「インド教」
・女性を生きたまま焼き殺す儀式
・インド人とヨーロッパ人は同源なのか
⑤日本人と日本国の起源(茂木)
・「日本国」という国号の初出はいつか?
・「人種」と「民族」の違い
・縄文人に一番近いのはチベット人
・最大の謎、日本語の起源を考える
・「日本人らしさ」は縄文人のDNA
第2章[中世]
モンゴル帝国が与えたインパクト
⑥中国人はどのようにハイブリッド化されたのか(宇山)
・「中国人=漢民族」ではない
・半分以上が異民族の王朝
・日本は「東夷」と侮蔑された
・中華国家を標榜するならば
⑦ロシアというやっかいな隣人──ウクライナ戦争の淵源(茂木)
・実はいったん滅んでいるロシア
・モンゴル軍に蹂躙されたというトラウマ
・多層な混血民族集団・コサックの登場
・ポーランドからの独立とロシアによる支配
・「黒船ショック」で近代化に舵を切ったロシア、日本、清国
・ソ連時代、辛酸をなめたウクライナ人
⑧ヨーロッパの国々はどのように誕生したのか(宇山)
・独仏伊、3国はいかに生まれたか
・水上の交易ネットワークを独占したノルマン人
・アングロ・サクソン人とイギリスの歴史
・東西分裂後、ローマ皇帝の帝位はこうして受け継がれた
・ヨーロッパには、皇室が三つある
・古代ローマの理想を
・世紀に蘇らせたナポレオン
⑨「イスラム」というグローバリズム(茂木)
・「選民」ではないアラブ人の預言者
・グローバル一神教たるキリスト教とイスラム教の違い
・ムハンマドによるイスラム教の急拡大
・いまだルネサンスなきイスラム世界
⑩「先住民」の世界史(茂木)
・「先住民」を意味する英語表記の変遷
・フランス人やイギリス人のルーツ・ケルト人
・イングランド、スコットランド、アイルランドの関係史
・エミシ・ミシハセはアイヌではない
・アイヌとはシベリア起源の北方民族と縄文系擦文文化人との混血
・「アイヌ先住民決議」の過ち
第3章[近世]
世界的な「大戦国時代」
⑪大航海時代、新大陸先住民族のスペイン化と混血(宇山)
・アメリカ先住民は古いモンゴロイドの子孫
・騙され、人質にされて、殺されたインカ皇帝
・20倍の数の先住民族と混血
・中南米各国で異なる人々の容貌
⑫「国家」、「国民」はいつ生まれたのか?(茂木)
・中世ヨーロッパの王は力があったか?
・国王が神の代理人となり「国家」が現れる
・天皇から将軍職を授与される徳川家
・フランス革命軍の強さの秘訣
・明治維新は革命ではなかった
⑬朝鮮を独立させたのは誰か?(宇山)
・「朝鮮人」は差別語なのか
・李王朝が明の皇帝から与えられた「朝鮮」
・朝鮮王が「陛下」ではなく「殿下」と呼ばれたワケ
・日清戦争で清国から独立できた朝鮮国
・「独立門」を勘違いしている韓国人
⑭明朝と清朝——絶対権力の腐敗と朝貢システム(宇山)
・歴代、最も腐敗と無能を極めた明王朝
・7回にわたる鄭和の「南海遠征」
・なぜ、アジア発の大航海時代が起こらなかったか
・多民族国家・中国の原型を形成した清王朝
・18世紀後半には統計人口が約5倍に増大
⑮徳川日本は世界有数の重武装中立国家だった(茂木)
・火砲(大砲と鉄砲)の誕生
・1000年続いたビザンツ帝国を滅亡させた力
・鉄砲の量産体制に入った戦国日本の軍事力
・オランダ・イギリスは家康の天下統一に貢献
・パクス・トクガワーナを支えた情報力と軍事力
第4章[近代]
大英帝国と国民国家
⑯「市民革命」は、なぜ西欧だけで起こったのか(茂木)
・「講座派」と「労農派」の日本資本主義論争
・カルヴァン派が発展させた資本主義
・ピューリタン革命と、元に戻った名誉革命
・フランス革命の狂気、そしてマルクスの共産主義へ
⑰イギリスの世界支配、覇権の構造(宇山)
・覇権国家・三つの条件とは
・イギリスの悪辣なる収奪システム
・「黒い積み荷」と「白い積み荷」
・インドのアヘンと中国の茶を結びつける三角貿易
・軍産複合体ジャーディン・マセソン商会
⑱プーチンはなぜ、ロシア皇帝を敬愛するのか?(宇山)
・イギリスに阻まれたロシアの野望
・明治維新と同時期に進んだアレクサンドル改革
・保守反動の専制政治に向かったアレクサンドル3世
・ビスマルクの均衡外交とその限界
⑲「大分岐」──「豊かな中国」が「貧しいヨーロッパ」に負けたのはなぜか(宇山)
・中国の圧倒的優位が失われた1世紀半
・アダム・スミスが酷評。「産業資本が欠如した停滞社会」
・なぜ、産業革命は中国で起こらなかったのか
・乾隆帝はイギリス使節を嘲笑した
・金融業の解禁と殖産興業ができなかったイスラム世界
⑳日本はなぜ近代化に成功し、朝鮮は失敗したのか?(茂木)
・江戸期日本の繁栄を見て感嘆した朝鮮通信使
・日本人に対してのすさまじい差別意識
・李氏朝鮮の権力の源泉は「中国と繫がっていること」
・朱子学が生き続けている韓国・北朝
第5章[現代]
アメリカの世紀と共産党の野望
㉑「三枚舌外交」がユダヤ人とパレスチナ人の争いの元になったのは本当か(宇山)
・バルフォア宣言で記された「national home」
・アラブ人とユダヤ人の共存が可能とされた
・イギリス政府は矛盾していなかったのか
・シオニストはカネとプロパガンダを利用した
㉒アメリカ民主党の偽善と腐敗の遺伝子「フランクリン・ルーズヴェルト」 (宇山)
・日本人に対する異常な人種差別意識
・ニューディール政策が世界恐慌を克服したという噓
・ニューディール政策は共産主義化への手段
・慣例を破って4選、選挙では大ホラ
㉓日米関係の世界史──アメリカの残虐性の根源とは?(茂木)
・アメリカの「太平洋ハイウェイ構想」
・隣国になった日米が衝突し始める
・露骨な人種差別主義者・アメリカ大統領ウィルソン
・アメリカが中国市場から日本を排除する
・フランクリンの異様な中国びいきと反動としての日本嫌い
㉔冷戦、NATOがロシアを追い込んだ──ウクライナ戦争の本質(宇山)
・ウクライナ問題と台湾問題は関連しない
・NATOという名の軍事同盟
・プーチンを排除したいジョージ・ソロス
・ロシア包囲網となっている新NATO
・ウクライナ侵攻は冷戦以来続く歴史の必然
㉕中国共産党を生み出したもの(茂木)
・コミンテルン、東アジアにおける活動開始
・北一輝理論に影響された「赤い将校」
・大陸に日本軍を引き込む中国共産党の策謀
・残虐な通州事件は誰が行ったか
・日米戦争へ誘導し、ソ連を救ったハリー・ホワイト
・大本営はソ連の対日参戦を知りながら受け入れた
ここまでお読みいただきありがとうございました!本書は全国の書店・ネット書店にてお取り扱いをしております。ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。
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茂木誠&宇山卓栄 著
『日本人が知らない!世界史の原理』

茂木誠(もぎ・まこと)
ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系YouTuber。
駿台予備学校、N予備校で世界史担当。『世界史で学べ! 地政学』(祥伝社)、『「戦争と平和」の世界史』(TAC)、『「保守」って何?』(祥伝社)、『教科書に書けないグローバリストの近現代史』(ビジネス社・共著)、『「リベラル」の正体』(WAC出版・共著)、『ジオ・ヒストリア』(笠間書院)、『感染症の文明史』(KADOKAWA)、『ニュースの“なぜ?”は地政学に学べ』(SB新書)、『政治思想マトリックス』『日本思想史マトリックス』(以上、PHP研究所)など著書多数。
YouTubeもぎせかチャンネルで発信中。
連絡先:mogiseka.com
宇山卓英(うやま・たくえい)
1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。代々木ゼミナール世界史科講師を務め、著作家。テレビ、ラジオ、 雑誌、ネットなど各メディアで、時事問題を歴史の視点でわかりやすく解説。主な著書に『大アジア史』(講談社)、『世界「民族」全史』『「民族」で読み解く世界史』『「王室」で読み解く世界史』『「宗教」で読み解く世界史』(以上、日本実業出版社)、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA) 、『経済で読み解く世界史』『朝鮮属国史―中国が支配した2000年』(以上、扶桑社)、『世界史で読み解く「天皇ブランド」』(悟空出版)など。
