相続登記をすると法務局の「受付帳」をもとにDMが送られてくる!?
相続登記をしたら、不動産会社から売却を勧めるDMが来たり、相続を専門とする税理士法人からDMが来ました。どちらも、こちらから住所などは教えていません。気持ち悪さを感じたので調べてみたら、法務局で開示請求をすると見られる「受付帳」をもとに送られてくるようです。
開示請求で入手可能な「受付帳」の情報
送られてきたDMには、「法務局が開示している情報をもとに、不動産登記の変更が発生した方にお送りしています」と書かれていました。
どんな情報を開示しているのか調べてみたのですが、下記の記事がわかりやすかったです。
もとは西日本新聞の記事だったようですが、そちらは有料になっているので、河北新報から一部引用します。
「土地相続した途端にダイレクトメールの嵐 業者がなぜ? そのからくりとは」 2023年4月14日 河北新報オンライン より
受付帳とは不動産登記規則に基づき、全法務局で備える資料。記者が福岡法務局に受付帳の開示請求を行うと、日付順に「所有権移転相続」など変更理由と該当の土地・建物の住所が記されていた。法務局内で、登記内容の確認などに使うものだ。
この受付帳は「行政文書」に該当することから、開示請求で誰でも入手できるとのこと。受付帳には所有者名の記載はありませんが、住所を基に登記簿を申請すれば相続人を把握できるので、その情報をDMに使うこともできてしまうということです。
河北新報の記事(2023年4月14日付)より

登記簿謄本(登記事項証明書)は、オンライン申請だと1件520円(郵送)または490円(法務局で受け取り)で得ることができます。
DMを送ってきた企業や法人がDMを送るために、受付帳の閲覧と登記事項証明書の申請に時間と金額を費やしているなら、とても効率が悪いと感じましたが、記事にはこれらの情報をリストにして売っている業者がいる可能性についても触れられています。
相続したことやその土地に関する情報は個人情報だと思うのですが、不動産登記は、個人情報保護法の適用除外になっているとのこと。
前述の河北新報(2023年4月14日付)より
不動産登記は、個人情報保護法の適用除外になっている。ただ、不動産登記法では、登記簿の付属書類の閲覧に一部制限がある。4月1日から「正当な理由があるとき」といった制約が追加され、さらに閲覧しづらくなる。
一方で受付帳は、不動産登記法の登記簿の付属書類には含まれていない。法務局の作成資料のため、情報公開法に基づいて開示されるという“ねじれ”が生じている。
法務省は「受付帳を使った営業DMは把握している。情報公開法に沿って開示手続きをしているとしか言いようがない」と答えたとのこと。「受付帳」公開の可否については、専門家の間でも意見が割れているようです。
2024年4月から、相続登記が義務化されました(下記参照)。詐欺などにも利用されやすい情報を、このような形で使われるままにしておいてよいのでしょうか。
気持ち悪いDMに効果はあるのか?
違法な手段で得た情報ではないとはいえ、勝手に調べられて相続登記後のタイミングでDMが送られてくることには気持ち悪さしか感じません。もし売却や相続税に関する相談をしたいと思っていたとしても、私はこの企業や法人に依頼したいとは思いません。例えば、頼んでもいないのに訪ねてくるリフォーム業者に悪質商法が多いように、こちらが依頼してもいないのに勝手に法務局で調べてDMを送ってくる業者にはよい印象を持たないからです。
不動産会社のDMには「具体的な購入条件が寄せられています」などと書かれていましたが、すでに購入希望者がいるとは思えないので、DMのテンプレートなのでしょう。手当たり次第に送って、1件でも反応があればいいという感覚には誠実さも感じられません。テレビでもCMを流す大手でしたが、逆に「この会社には絶対に頼まない」という気持ちになりました。
相手の立場になって考えられる人(企業)なら、このようなことはしないのではないでしょうか。
