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インドの自己増殖型(レプリコン)ワクチンは、なぜ話題にならないのか?

あることについて掘り起こし作業をしていたら、インドでも自己増殖型(レプリコン)ワクチンが開発されていたことを知りました。正式に承認されてはいませんが、2023年6月には緊急使用許可が出ていたのです。日本で自己増殖型ワクチンが承認されたときは、「世界で初めての承認!」という点が強調されていたので、他国ですでに接種が許可されているとは思ってもいませんでした。あまり情報がなかったのですが、インドで開発された自己増殖型について取り上げます。

自己増殖型ワクチン「GEMCOVAC-OM」

インドのGennova Biopharmaceuticals社とアメリカのHDT Bio社が共同開発していたワクチン(GEMCOVAC-OM)に、緊急使用許可(EUA)が出たと2023年6月の記事に書かれています。

Ministry of Science & Technology (科学技術省)のプレスリリース

これらの記事には、GEMCOVAC-OM は熱安定性を持ち、ファイザー社製などと違って超低温物流システムを必要としないので、インド全土での展開が容易になること、そして無針注射器を使用していることなどが書かれています。「自己増殖型」であることより、それらが注目されていることが不思議です。

けれども、下記の論文には「An Omicron-specific, self-amplifying mRNA booster vaccine for COVID-19: a phase 2/3 randomized trial」と書かれています。「self-amplifying mRNA」なら、やはり自己増殖型ということになります。

臨床試験では、BBV152(インドのバーラト・バイオテック社 コバクシン)またはChAdOx1 nCoV-19(アストラゼネカ社)を2回接種後にGEMCOVAC-OMを接種。第2相では、プロトタイプのmRNAワクチン(GEMCOVAC-19)と比較しています。アストラゼネカ社のワクチンは日本で接種した人はかなり少数派だと思いますし、ファイザー社やモデルナ社のワクチン接種後に自己増殖型を接種したり、それらと比較しているデータは出ていません。ですから、日本の場合とは状況が違っていると思います。

余力がないので臨床試験については詳しく確認できていませんが、下記の記事には、インドの「GEMCOVAC-OM」 と 日本で承認された「ARCT-154」 が、コロナウイルスワクチンの新時代到来を告げるものであると書かれています。

こんな風に2つを比べる記事がもっとあってもよいと思うのですが、GEMCOVAC-OMはなぜこれほどまでに話題にならないのでしょうか。アメリカでの反応でも、「なぜ日本が最初に?」という感じで、インドのことは触れていませんでした。

確かに、「緊急使用許可」は「承認」ではないので、承認されたのは日本が初めてということになります。けれども、「すでにインドでは緊急使用許可が出ている」など、少しは触れてもよいと思うのですが「世界初!」ばかり強調されていました。


https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/pressrelease/2023/detail/pdf/231128_02.pdf


インドの添付文書

下記は、GEMCOVAC-OMのサイトです。

SUMMARY OF PRODUCT CHARACTERISTICS (SmPC)
FACT SHEET
添付文書

添付文書で、下記の点については不明だとはっきりと書かれています。

4.6
・妊婦および授乳中の母親に関しては、安全性、有効性、免疫原性は確立されていません。GEMCOVAC -OM の母乳移行については不明。
・18 歳未満の小児および青少年における GEMCOVAC -OM の安全性と免疫原性は確立されていません。
・GEMCOVAC -OM が運転能力および機械操作能力に与える影響に関する研究は実施されていません。

針のない注射器については、下記に説明がありました。
https://pharmajet.com/wp-content/uploads/2023/04/60-10409-001D_Tropis-0.1mL-NFIS-User-Guide-Letter.pdf

https://pharmajet.com/wp-content/uploads/2017/12/K406-p48-55-IPI_nov_2017_9.pdf

バネの力により、ノズルから高圧・高速のジェット流が出て皮膚内に薬液が送達されるようです。

この注射器が普及すると、誰でも簡単に接種できるようになるかもしれません。

接種率などは見当たらなかったのですが、CEPI(下記参照)が絡んでいることはわかりました。

以下、2023年8月の記事です。

CEPIとGennova Biopharmaceuticals社は、自己増殖型mRNAプラットフォームの開発を推進し、疾病Xとも呼ばれる未知の病原性脅威に対するワクチン候補を開発するための新たな資金提供契約を締結したことを発表した、と書かれています。

CEPIと資金提供契約を締結したなら、自己増殖型ワクチンについてももっと話題になりそうなのですが、話題になっていないことが不気味です。

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