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死亡・心筋炎・性器出血

厚労省のサイトで、5歳から11歳への新型コロナワクチン接種後に起きた副反応疑いの報告が公開されています。5月13日に、新たな報告が公開されました。


5月13日公開の5歳から11歳に関係する資料

新たな報告の中から、気になった事例を3つ取り上げます。

厚労省サイト ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第78回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)資料 5月13日

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00042.html

資料2-1-2-4 (コミナティ筋注5~11歳用)医療機関からの症例報告一覧(全3ページ)
資料2-7 (コミナティ筋注5~11歳用)の副反応疑い報告症例一覧(全18ページ)
資料2-3-4     新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注5~11歳用)(全3ページ)

資料2-2-3-4 薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注5~11歳用・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (全65ページ)


初めて報告された死亡事例

今回、初めて死亡事例の報告がありました。

資料2-3-4より

事例:1 11歳女性 コミナティ筋注2回接種
2回目接種日:2022年4月28日 ロット番号:FN5988
報告書上の死因:急性心筋炎様の心不全
予診票での留意点:重症心身障害児(超重症児)、出生時重症新生児仮死、低酸素性虚血性脳症、生直後より人工呼吸管理。自発呼吸なく、常に人工呼吸管理。脳性麻痺あり。経管栄養。意思疎通なし。表情は変化しないが、痛み刺激にわずかに顔をゆがめる程度はあり。肢体不自由。超重症児で2014年6月より重症心身障害者病棟に長期入所している。家族も重篤な状態になった際の延命措置は望んでいなかった。

2022年4月7日に1回目接種。副反応なく経過した。
4月28日午後、2回目接種。
2回目接種翌日昼過ぎより心拍数130~150/分の頻脈・冷や汗・疲労感が出現した。様子をみていたが、接種2日後夕方から呼吸不全となり、徐々に脈減少・血圧低下となり、同日夜心肺停止、死亡確認された。状況より急性心筋炎による心不全が考えられた。

呼吸不全(100% 02バギング)・全身チアノーゼ・血圧測定不可となり点
滴・採血は困難であった(ようやく1.5mLくらい採血できた。)。また、休日対応であり、可能な検査項目も少なかった。心エコーもできる体制ではなかった。なお、2回目接種前日の採血では異常所見はなかった。

■報告医による評価
因果関係:評価不能
他要因の可能性の有無:無

■専門家による評価【令和4年5月13日時点】
ワクチンと死亡との因果関係評:γ(「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」)
コメント:心肺停止の原因として、心筋炎と診断するための情報がなく、心筋炎のブライトン分類はレベル4(※)と考えられる。また、心不全についても診断するための客観的な情報はない。情報が限られているものの、もともと脳性麻痺および人工呼吸器管理で長期入院中の重症症例であり、ワクチン接種に関係なく呼吸不全をきたして心肺停止となった可能性も考えられる。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000938533.pdf

※ブライトン分類のレベル4:心筋炎として報告されたが、十分な情報が得られておらず、症例定義に合致すると判断できない。

ブライトン分類レベルについては、下記の記事で詳しく取り上げました。

2回目接種前日の採血では異常所見はなく、報告医師は、他要因の可能性は「無」と報告していても、「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」とされています。


心筋炎


資料2-2-3-4より

紹介する報告は、重複している部分などは編集してあります。BNT162b2は、コミナティ筋注(ファイザー製)のことです。時系列で追えるように、順番を入れ替えたりしています。
※は、こちらで補足しました。

事例:21795 7歳男性 コミナティ筋注1回接種 ロット番号:FN5988
ワクチン予診票での留意点はなかった。
2022/02/03 頃、病院にてコロナ抗原キットで陽性となり、特別な治療せず軽快した。

以下の情報が報告された:
心筋炎(入院、医学的に重要、生命を脅かす)、心膜炎(入院、医学的に重要、生命を脅かす)、すべて 2022/03/18 に発現、転帰「軽快」、すべて「CK、トロポニンの上昇、エコーで心収縮も低下、心電図異常、XP での心拡大あり」と記載;

臨床経過:
2022/03/13 BNT162b2(コミナティ 5~11 歳用)1回目接種。
2022/03/14(ワクチン接種の 1 日後)、発熱、嘔吐、全身倦怠感、咳嗽※(重篤性:入院)が発現、措置は不明、2022/03/23 に転帰軽快、bnt162b2 に関連する可能性大であった。
2022/03/15(ワクチン接種の 2 日後)、下痢(重篤性:入院)が発現、措置は不明、2022/03/23 に転帰軽快、bnt162b2 に関連する可能性大であった。
2022/03/18(ワクチン接種の 5 日後)、CK(クレアチンホスキナーゼ)上昇、トロポニン上昇、心収縮低下、心電図異常(重篤性:入院)、措置は不明、2022/03/23 に転帰軽快、bnt162b2 に関連する可能性大であった。
2022/03/18(ワクチン接種の 5 日後)、XP(※胸部X線像) での心拡大所見(重篤性:入院)、措置は不明、2022/03/23 に転帰軽快、因果関係は報告されなかった。

報告医師のコメントは以下の通り:
ワクチン接種翌日からの症状にて、因果関係ありと判断した。
2022/03/16(報告のとおり)、当院入院時に咽頭発赤あり、ウイルス性咽頭炎の所見あり。これに伴う心筋炎の可能性はあるが事象はコロナワクチン後の発現であり、ワクチンによる心筋炎を否定できない

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000938147.pdf


※「咳嗽」:せき
※「軽快」:疾患に対して治療を行って、改善がみられたら「軽快」とされます。退院後、通院する必要があるなど、完治していない状態です。

同じ事例を資料2-6-3でも確認しました。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000938263.pdf

心筋炎のブライトン分類はレベル4、専門家の因果関係評価は「γ」です。心膜炎はレベル2(心膜炎の可能性が高い)ですが、因果関係評価は「γ」となっています。


性器出血

10歳女児の事例で、母親は「初潮かと思った」と言っていますが、転帰は「不明」となっており、初潮だったのかはわかりません。初潮を迎えたばかりのころは、周期も不規則になりがちなので、見極めが難しいと思います。

資料2-2-3-4より

事例:21803 10歳女性 コミナティ筋注 1回接種 ロット番号:不明
本報告は、製品情報センターから連絡可能な報告者(消費者またはその他の非医療従事者)から入手した自発報告である。報告者は親である。

以下の情報が報告された:
性器出血(医学的に重要)、2022/03/29 発現、転帰「不明」、「微量なんですけど性器から出血していた。」と記載された。

2022/03/19 BNT162b2(5~11 歳用コミナティ)1回目接種。
2022/03/29、ワクチン接種 10 日後、出血。
患者の母は初潮であると思い、そういう症状が昨日と今日あった。

これ以上の再調査は不可能である。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000938147.pdf

時系列など、文章からはよくわからなかったので、資料2-2-2-4も確認して順番を入れ替えたり編集しています。

こちらも、同じ事例を資料2-2-2-4で確認しました。

事例:21803 専門家の意見
性器出血について:10歳5ヵ月での初経は通常の月経開始時時期としては年齢が少し早いため、単純に初経が来たものとは判断できない。副反応によるものかどうかの評価には情報量が少ない。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000938142.pdf

コミナティ筋注5歳~11歳用の臨床試験

特例承認されたときの審査に関する報告(特例承認に係る報告書 コミナティ筋注5歳~11歳用)は、下記のサイトで見ることができます。

海外での臨床試験(C4591007 試験)では、状態が安定している基礎疾患を有する小児も組入れ、解析を行ったとあります。
7.R.3.2

本薬群で20.6%(312/1,518 例)、プラセボ群で 20.3%(152/750 例)であり、主な基礎疾患又は状態は、肥満(本薬群 11.5%(174/1,518 例)、プラセボ群 12.3%(92/750 例)、以下同順)、喘息(7.8%(119/1,518 例)、8.3%(62/750 例))、神経疾患(1.3%(19/1,518 例)、0.4%(3/750 例))、先天性心臓疾患(1.0%(15/1,518
例)、0.7%(5/750 例))であった。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220117002/672212000_30400AMX00015000_A100_2.pdf

行ったといっても、それぞれの人数がとても少ないです。

以上の結果は、C4591007 試験の全体集団における安全性の結果(7.R.3.1 参照)と大きな差異はなく、COVID-19 の重症化リスク因子を有する集団で特有の懸念は認められていない

https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220117002/672212000_30400AMX00015000_A100_2.pdf

それでも、「特有の懸念は認められていない」としています。

今回亡くなった11歳のお子さんは、重症心身障害者病棟に長期入所していたので、症状が安定していたとは思えません。

7.R.1 

なお、本邦における 5~11 歳の小児に対する開発に際しては、前述のとおり、20~85 歳を対象とした国内第I/II相試験(C4591005 試験)で日本人における免疫原性及び安全性を確認済みであることから、5~11 歳の小児を対象とした国内臨床試験は計画しなかった

https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220117002/672212000_30400AMX00015000_A100_2.pdf

5歳~11歳用に関しては「国内臨床試験は計画しなかった」とあるので、行われていないということです。臨床試験での日本人のデータがないということは、今が臨床試験のようなものだと思います。

7.R.6.1 製造販売後の調査について
申請者は、製造販売後の調査について、以下のように説明している。
C4591007 試験において、5~11 歳の小児における本剤の安全性に重大な懸念は認められていない(7.R.3 参照)。しかしながら、当該年齢層の日本人小児における本剤の安全性情報は得られていないことから、本剤の製造販売後には 5~11 歳の小児における本剤の使用実態下の安全性情報を速やかに収集・公表するために、特定使用成績調査(観察期間は 1 回目接種日から 2 回目接種後 28 日)の実施を計画している。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2022/P20220117002/672212000_30400AMX00015000_A100_2.pdf

特例承認されても、日本人小児における安全性情報はまだ得られていないのです。