ゲームマーケット2025春出展レポート
こんにちわ!BUNGU SQUAD代表のワラビサコです。
今回は、一年ぶりに出展者として参加したゲームマーケットについて、この日のためにどんな準備をしてきたか、当日の設営や反応も含めて備忘録も兼ねて書き記しておこうと思います。
爆死したわけでも爆売れしたわけでもなく、特段、大きな出来事などは無かったのですが、後で何かの参考になるかもしれないので。
新作の発表
当サークル(と呼べるかわからないが)は、BUNGU SQUADという文具を使った⚪︎×ゲームだけを広める活動をしており、今回新作を頒布したと言っても中身はほぼ同じゲームです。
細かい違いや経緯などはこちらの記事をお読みいただければと思いますが、簡単に言うと、さらに間口を広げるためによりルールを削ぎ落として遊びやすくし、それでいて新たな展開をしていきやすいカードタイプを制作しました。


パッと見ではわかりづらいですが、実はトレーディングカードゲームの要素を含んでいるので、これまでとは違う楽しさを創造できると思っています。
まだ基本のデッキしかありませんが、ここから拡張していく予定です。
糊やホッチキスや付箋やコンパスetc.…。
出展に向けて
今回でゲームマーケット(以下ゲムマ)への出展は5回目で、当日に向けてどんな宣伝活動があるかはそれなりに知っており、時間や予算などの限りあるリソースを、どこに割くかを考えながら取捨選択しました。
まずは試遊会。
ゲムマ開催1ヶ月くらい前からあちこちで大小の試遊会が行われているので、恒例の主催者さんの所に行ったり、あえて行かなかったものもありました。
というのも、基本的な中身はすでに2年前に頒布していてほぼ旧作みたいなものであり、2人専用の紙ペンゲームというのもあって、なかなか試遊会では数多く遊んでもらえません。特に大人数の試遊会では。
なので、10人くらいの中小人数で、大体全員一周回るよねっていう規模の会がこのゲームにはちょうど良いかなと思っています。
3〜4人用ゲームとかだと、遊んでもらいやすい上にレビューの数も多いので、2時間くらいあればゆうに二桁人数に遊んでもらえたりするのですが、一方BUNGU SQUADはその時間でも2〜3人とかだったりして、とてもコスパが悪いのです。
熱心な人はあちこちの試遊会にとにかく数多く参加していたりしますが、正直そこまでリソースの余裕が無く、今回は3回しか参加しませんでした。
詳しくは後述しますが、誤解を恐れずに言うとBUNGU SQUADはあまりボードゲームガチ勢には人気が無いので、そちら方面からの、あるいはそちら方面に向けての宣伝は捨てました。
フォシュピールへの参加
ゲムマに向けての試遊会といえばフォアシュピールですが、今回初めて自力で当選し、とても楽しみにしていました。
…が、申し込み時に「ファミリーエリアを希望する」にチェックを入れたばっかりに、今回から2つに分かれたフロアの上の9階にある小部屋の方に割り振られました。

開場直後は家族どころかお客さん自体ほとんど来なかったので、うちは2時間経っても1回も試遊してもらえませんでした。
ですが、同じエリアの他のブースでは遊ばれている所もありましたし、投票で上位に入っていたゲームもあります。
なのであえて負け惜しみを言わせてもらうのならば、自分のゲームがダメだったのではなく、その方々のゲームが素晴らしかったんだと思っています。
ただ、上の階に割り振られるってわかっていたら申し込み時にファミリーエリアにはしなかったので、それは事前に知らせてほしかったなぁと。
下のフロアとは全く別のイベントって感じだったので。
同じ出展料を払っているので、正直不公平さを感じましたし、その件については運営の方に再発防止としてお伝えしました。
このゾーニングはほぼ機能していなかったので、この造りの建物でこの規模の来場者数なら、2つのフロアには分けない方がいいのではないかと思います。それか出展料を下げるか。
フォシュピールといえば、「試遊のわんこそば」が謳い文句で、スタッフの皆様がお客さんを空いているブースにどんどん誘導してくれるのですが、今回は一度もそのシステムの恩恵を受けることはできませんでした。

ただ、今回は実験的な試みも含んでいたでしょうし、想定外のこともあったと思います。
スタッフの数も足りなかったでしょう。
このイベントはゲムマおよびボドゲ業界にとって無くてはならない存在ですし、色々書きましたが運営の皆様には心から感謝しています。
お1人、とてもハマってくださったお客様がいらっしゃったので、その出会いだけでもお釣りが来るくらいです。
フォアシュピールの投票で上位に入るとその後も好循環が続くので、とても大きなチャンスの場であるのは間違いありません。
きたこしさんのYouTube配信
ゲムマ前の祭りといえばやはりVtuberきたこしさんによるYouTubeでの紹介。しかもぶっ続けの生配信。
申し込み順で、漏れなく全員紹介していただけて、最初から最後までずっと高いテンションで配信されるその姿には、全ボードゲーマーが尊敬の念を抱いているかと思います。
今回も早めに申し込んだ甲斐あって1日目に紹介していただいたのですが、あいにく体調を崩してリアルタイムで拝見できなかったのが心残りです。

この配信を観た方からの予約が増えることも多いようで、皆さんこぞって申し込みされます。
ただ、BUNGU SQUADはこの配信で予約が入った事は多分無いのですが、それでもあの祭りの雰囲気が好きで参加しています。
今回のテーマ
これは“自虐”ではなく“自覚”だと捉えてもらいたいのですが、先述の通り、BUNGU SQUADはボードゲームガチ勢からはあまり人気が無いので、こういったメディア露出の宣伝から購入を決めてもらえる類のゲームではありません。
なのでヤブウチさんのフリーペーパーも、今回は申し込みしませんでした。
🎉【配布ご協力大募集】#ボドゲフリペ 2025春夏号 🎉
— ヤブウチリョウコ|ゲーム作家 (@RyokoYabuchi) May 1, 2025
過去最大ボリューム《68P》のフリーペーパーがもうすぐ完成✨#ゲムマ2025春
今回も5500部無料配布予定!
配布をご協力いただける方を大募集します!
📍 店舗・ボドゲ会などで配布してくださる方
📍 最低10部〜(送料無料)
青い鳥がいない…!?… pic.twitter.com/zmXRM7hgX7
それよりは、実際に遊んでもらって20〜30人に1人くらい強烈に刺さってくれる人がいる、割とニッチなゲームです。
昨年ドイツでのSPIEL ESSENに出展した時も、ニッチだからこそ刺さった人には値段を訊きもせずに買ってもらえました。
日本では当初500円で販売していたルールブックセット(別途、文具と紙とトランプが必要)が、会場では20€ (≒3200円)で売れたのです。
もちろん向こうでは誰も知らない無名のゲームなので、まずは試遊しに来てくれるわけですが、会期後半は遊んでくれた人の7〜8割は購入していただけました。


ゲムマ2023秋に出展した時、できる限りのことはやったのですが思ったより成果が得られず、その時にある気づきを得ました。
このゲームはゲムマが主戦場ではないなと。
【#ゲムマ2023秋の総括】
— BUNGU SQUAD®︎公式情報 (@bungu_squad) December 12, 2023
結論から言うと、今回のゲムマはかなり悔しい結果に終わりました。
うまくいった話ではなく、うまくいかなかった話ですが、決してネガティブにはなっていません。
今の正直な思いを、ここに書き記しておこうと思います。
━━━━━━━━━━━━━━
✒︎… pic.twitter.com/FUaQvAeaGl
この時の投稿にも書きましたが、以前、自薦他薦の募集ポストに200〜300件コメントしても、直接売上には(自分は)繋がらなかったので、今回は1件もその類のコメントはしませんでした(効果がある人・ゲームもあると思います)。
穿った考えかもしれませんが、本気でオススメのゲームを教えてほしい人が3割、あとはただの数字稼ぎが目的だと思ってるので。
そういう“自覚”もあり、自分の主戦場を地域の子供に振り切りました。
2年前から住まいを東京から埼玉に移して、毎月学童や小学校を訪問し、時々地域のイベントに参加したりするという草の根活動を続けています。
埼玉のとある街の小学生みんなが知ってるゲームとかになったら、そこで初めて報われることでしょう。少なくとも5年10年はかかると覚悟しています。
それでも未だにゲムマに出展をしているのは、旗を立てることでこれに向けて準備を進めることができるのと、なんだかんだこのイベントの雰囲気が好きだから。
そして、10年くらい同じゲームで出続けて名物おじさんになってやろうと目論んでいるからです。
なので今回は、試遊ありの日曜日のみに出展することにしました。
Xの投稿で、自分のゲームが買われなかったことに唾を吐いているデザイナーがいましたが、それは遊んでもらったにも関わらず買わなかった人に向けて言える話であって、ゲームの存在を知られていなければそもそも買われることはありません。
なので、事前の宣伝が大事だというのはゲムマ界隈では常識として周知されています。
そういえば自分も、デザフェスやコミケに何の下調べもせずにフラッと行った時に、何も買わずに出たことが何度もあります。
あれだけ数が多いと、回りきれないし比較するのも難しいので、買うものを決めきれなかったりするんですよね。
何の予備知識も無く、もんじゃの町・月島に行って、どのお店に入るかを決めるのって難しいですよね?
(ジャム理論というのがあって、商品の種類が1つしか無かったら「買うか買わないか」という選択に迫られて買いづらい、逆に選択肢が多すぎると、「失敗したくない」という心理が働いて、これもまた買いづらいというもの)
なので今回のテーマとしては、「フラッと来たお客さんにどこまで刺すことができるか」というのがありました。
ブースの魅せ方で興味を引けるか
売り子さんの立ち振る舞い
わかりやすい説明ができるか
パッケージのビジュアル
試遊の満足度・体験
色んなアプローチの仕方で結果は変わると思います。
最初に結論を述べた通り、特に爆死したわけでも爆売れしたわけでもないので、どの施策がハマったわけでもないのですが、売れた数の3分の1が予約、残りが当日購入を決めてくれた方でした。
その中に、最初からこのブース目掛けて来られた方はほとんどいなかったと思います。(おられたらごめんなさい)
ショーケースの効果
今回、ゲームの説明やインパクトを兼ねて、盤面や文具を釣り糸で吊って躍動感のあるディスプレイを作ってみました。
食品サンプルのようなイメージです。
【ゲムマに向けての実験🧪】
— BUNGU SQUAD®︎公式情報 (@bungu_squad) April 27, 2025
昨日の相談タイムでの提案を受けて、例えばこんな感じのディスプレイを作れないかなと思案中🤔💬
実際に文具を使って紙をダイナミックに加工するのがこのゲームの持ち味なので、それをテキストで説明するよりも一目でわかるようにしたい。
食品サンプルみたいなイメージ pic.twitter.com/1lAahIuOFJ
やってみるまでうまくいくかわかりませんでしたが、何とか当日の設営もうまくいってホッとしました。


ただ、説明の時には大いに役に立ったのですが、集客装置としてはあまり効果は無かったように思います。
これは仮説ですが、後ろも透けたショーケースだったため、そこに人が立っていたり背景がゴチャゴチャしていたせいで、遠くから見るとよくわからなかったのかもしれないなと。
バックを黒い背景にしてみてもよかったなと思いました。

また、今回は新作の「 BUNGU SQUAD CARD +」をメインに宣伝したり勧めたりしていたので、旧作のルールブックセットやオールインワンセットはとりあえず陳列させていた程度でした。
ですが、2種類購入いただければ500円引きというセット割を導入していたお陰もあってか、思いの外オールインワンセットがどんどん売れてしまい、そちらは開始2時間で完売してしまったのが今回最も見誤った部分でした。もう少し持ってくればよかった…。
特に最後の一個は、Specialty Bungu versionといって、本来オールインワンセットに入っている文具は無地で廉価なものであるのが、文具ライターとして長くインフルエンサーをされている“きだてたく氏”に選定していただいた文具一式が入っているものでした。
お値段も何と¥5,800と、決して安くないのにもかかわらず、置いてからあっという間に無くなったのは、これまでの出展経験にも無かったので大変驚きました。




ゲムマの翌日、お世話になっている方とお会いした時に、実はその方も日曜日にお客さんとして来ていたそうで、うちが出展していることを知らなかったのもあって見落としていたと聞きました。
認知している人・ゲームであっても、あのたくさんのブースの中ではやはり埋もれてしまうのだなと、新たな気づきを得ました。
事前の宣伝も大事ですが、ブースの設営の仕方もまだまだ課題があるようです。
出展日の是非
初めからわかってはいましたが、日曜日は17時までというのもあり、16時頃にはほとんど客足も引いていました。
前回のゲムマより日曜日は1,000人来場者が増えたそうですが、最初の開場直後は確かにいつもより勢いがあったように思います。
ただ、それでも土曜日も出展してみてもよかったかなとは思いました。
両日出展すれば片方ずつより少し割安になるのですが、その分くらいの売り上げは出せたかも、という感触はあります。
問題は、お手伝いさんを2日間確保するのが難しいところで、その人件費も上乗せするとなると結局どっこいどっこいになるかもしれません。
何はともあれ、とても楽しい一日であったのは間違いありません。元来、お祭りは大好きな人間なのです。
日本のボドゲの未来
来場者数が1,000人増えたとはいえ、それ以上に作り手も作品も増え続けている現状は、最早少ないパイの奪い合いであり、まさにこの世はボドゲ戦国時代。
特に日本は「新作至上主義」であり、もりもりと新しいゲームが生まれては消費されていく様は、ハタから見ると楽しそうでもあり、苦しそうにも見えます。
幸か不幸か、自分にはゲームをたくさん作る才能が無いので、背伸びせず、奇跡的に生まれたこのBUNGU SQUADというゲームを磨いて育てる事に専念しています。
誰もが知ってるような定番ゲームになるように運用していきたいと考えています。
海外では、最低製造ロット数が数千個からというのも珍しくなく、業界への参入障壁が高いようですが、日本では数個からでも手軽に作ることができる環境がありますよね。
その分、同人ゲームが活発になり、目まぐるしい勢いで新種のゲームシステムが生まれ、独自の進化を遂げているわけです。
この状況は、日本の食文化と似ているなと思いました。
日本は他の国と比べて飲食店を開業するハードルが比較的低いと言われています。その理由として、
①開業資金の低さ
②許可取得の簡便さ
③独立のしやすさ
があります。
こうした開業のしやすさが、日本の多様な食文化を育んだ一因になっている可能性はあります。特に、個人店が自由に新しい料理やスタイルを生み出せる環境が整っているため、創造的で個性的な飲食店が生まれやすいのは納得でしょう。
そして、いつしか世界に誇る食文化になっていったように、日本のボードゲームもまた、今はまだドイツの10分の1の市場規模で、アンダーグラウンドな位置付けではあっても、まるでマグマのように沸々とたぎる熱が、いつか噴火する時が来るのではないかと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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