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教えることで、自分の作業が変わっていく

最近、教える機会が増えてきました。 以前よりも多くの人と一緒に作業するようになり、いろいろな場面で道具の使い方や工程を伝えることが増えています。

教えるということは、自分の中では当たり前になっていたことを、あらためて言葉にして説明する作業でもあります。 でも、その過程で、自分が“何を見ていたか”“どう判断していたか”に気づかされることがあります。

たとえばロウ付け。昔の私は、「溶けたらどうしよう」「足りなかったら困る」と思って、火加減がいつも極端になっていました。 でも最近は、まず本体の厚みや大きさを見て、火力のバランスを組み立てるようになりました。 加熱中も金属の色や熱のまわり方を見ながら、自然とバーナーの距離を調整するようになっています。

こうした変化は、おそらく教える中で、さまざまなシチュエーションに向き合ってきたからだと思います。 大きなもの、繊細なもの、途中で修正が必要なもの。自分ひとりでは経験しなかったような作業に出会うことで、判断の引き出しが増えた気がします。

そしてもう一つ、大きいのは、教えている方がときどき“意外なやり方”をすることです。 知識が少ないからこそ、予想外の手順や動かし方をする。 たいていはうまくいかないのですが、まれに「それでも成功する」ことがある。 そんなとき、驚かされるのはむしろ私の方です。

もし再現性がありそうな場合は、そのやり方をほかの人にも伝えることがあります。 自分が一番いいと思っていた方法以外にも、選択肢があることに気づけたのは、教えていたからこそ。

知識を持っていると、つい自分の中の“当たり前”で教えてしまいがちです。 でも実際は、教えることで、自分の視点もどんどん変わっていく。 それが最近、とても面白く感じています。

教える立場でいても、学びは続いていく。 それが、ものづくりの世界の面白さだと思っています。


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