なぜ信頼は裏切られないのか?アドラー心理学でわかる「信頼と信用」の決定的違い
なぜ人は「信頼」を誤解するのか?アドラー心理学でわかる信頼と信用の違い
信頼というものは裏切られることができないんです。その人が生きている限り、人間として行動している限り、信頼しつづけるものであって、その人が適切な行動をするか不適切な行動をするかでもって、信頼したり信頼しなかったりするわけではないんです。相手の様子によって信じたり信じなかったりするのは信用ということです。適切な行動をしている限りあなたを信用しますし、不適切な行動をするならばあなたを信用しませんというのであれば、これは言葉の使い方として正しいと思いますが、こういうのは信頼とは言いません。
結論から言えば、信頼とは条件付きの評価ではない。相手の存在そのものに向けられた態度である。
アナタの前提
アナタはこう思うかもしれない。
「裏切られたら信頼は終わる」
「行動が伴わない人は信頼できない」
「信頼は実績で決まる」
その感覚は自然である。
しかし、それは誤りである。
信頼と信用の決定的な違い
ここが核心である。
多くの人は、
この二つを混同している。
・信頼 → 条件なし
・信用 → 条件つき
信用は、
行動によって変わる。
・うまくやる → 信用する
・失敗する → 信用しない
一方で信頼は、
そうではない。
つまり──
行動に左右されるものは信頼ではないのである。
なぜ信頼は「裏切られない」のか
引用の言葉は挑発的である。
普通はこう考える。
「信頼は裏切られるものだ」
しかしここで言う信頼は、
そもそも評価ではない。
・相手の善意を前提にする
・相手の可能性を前提にする
この態度は、
相手の行動で変わらない。
つまり──
崩れる対象が存在しないのである。
なぜ人は条件付きで信じてしまうのか
ここにも理由がある。
・傷つきたくない
・損をしたくない
・確実性を求めたい
だから、
行動を見て判断する。
しかしそれは、
信頼ではなく信用である。
信頼のリスクと価値
信頼にはリスクがある。
・期待通りにならない
・失望する可能性がある
それでも選ぶ理由がある。
・関係が対等になる
・相手の力を引き出す
・コントロールから解放される
つまり──
信頼は関係の質を変える選択なのである。
なぜ信用だけでは不十分なのか
信用だけで関係を築くと、
どうなるか。
・条件付きの関係になる
・評価が常に介在する
・安心できない
一方で信頼は、
・無条件の前提
・存在の承認
・安定した関係
この違いは大きい。
日常に潜む「信頼の誤解」
アナタは無意識にやっているかもしれない。
・結果で人を判断する
・失敗で評価を下げる
・条件付きでしか関わらない
これらはすべて、
信用の枠組みである。
問いと選択
ここで一つ、問いを持ってほしい。
「自分は今、信頼しているのか、それとも信用しているだけか?」
その上で、こう選ぶこともできる。
→ 無条件の前提を持つ
→ 行動と存在を分ける
結論
信頼とは評価ではない。相手の存在に対して「信じ続ける」と決める態度である。
そして、その態度を選べるのは、今ここにいるアナタである。
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野田俊作は、日本におけるアドラー心理学の代表的な実践家であり、シカゴ・アルフレッド・アドラー研究所留学に留学し、アメリカのアドラー派(ドライカース系)の影響を受けながら、その普及に大きく貢献した人物である。初代日本アドラー心理学会会長。日本のアドラー心理学の第一人者!
