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人生は運動である|アドラー心理学の機能主義をわかりやすく解説

アドラー心理学は「心の中身」より「動き方」を見る──機能主義とは何か

アナタは自分を理解しようとするとき、

「自分の性格は何だろう」

「自分の心の構造はどうなっているのだろう」

と考えるかもしれない。

もちろん、それも大切である。

しかしアドラー心理学は、少し違う視点を持っている。

アドラー心理学が注目するのは、「心が何でできているか」ではない。

「その心が、どのように働いているか」である。

ここに機能主義という考え方の特徴がある。

人生は運動である

まずは引用を見てほしい。

2.機能主義
人間の精神生活の運動の個人的な法則こそが、その人の個人性の決定因子である。(アドラー)


 人生とは運動です。人間精神の法則は、人生の運動の中であらわになります。アドラー心理学は、人間精神の構造(かたち)ではなく、もっぱら機能(はたらき)に注目します。

──野田俊作監修『アドラー心理学教科書』より

この言葉は、アドラー心理学の人間理解をよく表している。

人生は止まったものではない。

常に変化し、動き続けている。

そして人間の心もまた、動きの中で理解されるべきだとアドラーは考えたのである。

心の「構造」より「働き」

たとえば時計を見るとき、

部品の名前を全部知ることも大切である。

しかし実際に重要なのは、

「その時計がどのように時を刻んでいるか」

ではないだろうか。

アドラー心理学も似ている。

心の中に何があるのかを分析することより、

その人がどのように考え、

どのように行動し、

どのような方向へ進もうとしているのか

を見るのである。

だからアドラー心理学は、静止画ではなく動画の心理学だと言われることもある。

性格とは「動き方」である

アナタは、

「自分は内向的だ」

「自分は人見知りだ」

と思っているかもしれない。

しかしアドラー心理学は、そこだけでは終わらない。

重要なのは、

「その特徴を使って何をしているのか」

である。

人見知りだから人を避けているのか。

慎重だから失敗を防いでいるのか。

あるいは人との距離を調整しているのか。

同じ特徴でも、その働きは人によって異なる。

アドラー心理学は、その機能に注目するのである。

人生の方向を見る心理学

アドラー心理学には目的論という考え方がある。

人間は過去だけで決まる存在ではなく、未来の目標へ向かって行動しているという考え方である。

機能主義も、この考え方と深く結びついている。

なぜなら、心の働きは常に何らかの方向を持っているからである。

怒りも。

不安も。

勇気も。

劣等感も。

それぞれが人生の中で何らかの役割を果たしている。

だからアドラー心理学は、

「なぜそうなったのか」

だけではなく、

「その感情や行動は何のために働いているのか」

を考えるのである。

アナタの人生は今も動いている

機能主義が教えてくれるのは、人間は固定された存在ではないということである。

人生は運動である。

今この瞬間も動いている。

だから、過去の出来事や現在の性格だけで、自分の未来が決まるわけではない。

重要なのは、今どの方向へ進もうとしているかである。

アドラー心理学は、人間を標本のように観察しない。

生きている存在として見る。

動き続ける存在として見る。

アナタを決めるのは、心の中に何があるかだけではない。これからどの方向へ動いていこうとしているかなのである。

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