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アドラー心理学の実存主義をわかりやすく解説|自由意志と選択の心理学

人生の主人公は誰なのか──アドラー心理学の実存主義が教えること

「環境が悪かったから」

「親がこうだったから」

「性格だから仕方がない」

アナタも人生のどこかで、そんな言葉を聞いたことがあるだろう。

もちろん、人間は環境の影響を受ける。

過去の経験にも影響される。

しかしアドラー心理学は、そこで話を終わらせない。

なぜならアドラーは、人間を運命に振り回される存在ではなく、自ら人生を創り出す存在だと考えたからである。

アドラー心理学の実存主義

まずは引用を見てほしい。

4.実存主義
人間は自分自身の人生を描く画家である。
(アドラー)


 人間は、生への積極的参加者であって、状況に対して受動的に反応して生きるのではなく、いつでも能動的に応答して生きています。人間は、自分の力で運命を切り開いて生きていく能力があります。どんな場合でも、人間には自分の生き方を選択し決断する自由意志の余地があります。人間は自分の運命の主人です。

──野田俊作監修『アドラー心理学教科書』より

この文章には、アドラー心理学の人間観が凝縮されている。

人間は人生の観客ではない。

人生の主人公である。

そして主人公である以上、自分の人生に参加しなければならないのである。

「原因」ではなく「選択」に注目する

アドラー心理学を学び始めると、多くの人が目的論という考え方に出会う。

目的論とは、人間の行動を過去の原因だけで説明するのではなく、現在の目的や選択から理解しようとする立場である。

たとえば同じ失敗を経験しても、

挑戦を続ける人もいる。

諦めてしまう人もいる。

傷つきながらも前へ進む人もいる。

なぜ違いが生まれるのだろうか。

アドラー心理学は、その人がどのような生き方を選んでいるかに注目する。

もちろん簡単なことではない。

しかし、だからこそ人生には自由があるのである。

自由とは「何でもできること」ではない

ここで誤解してはいけないことがある。

アドラー心理学は、

「努力すれば何でもできる」

と言っているわけではない。

人には限界がある。

能力の差もある。

環境の違いもある。

病気や障害の問題もある。

それでもなお、人間には自由が残されている。

それは、

「その状況にどう向き合うか」

という自由である。

状況そのものを選べなくても、生き方を選ぶ余地は残されている。

アドラーが語る自由意志とは、そのことである。

人生という絵を描いているのは誰か

アドラーは「人間は自分自身の人生を描く画家である」と語った。

とても象徴的な表現である。

画家は真っ白なキャンバスだけを与えられるわけではない。

時には傷のついたキャンバスもある。

色数が少ないこともある。

描きにくい筆しかないこともある。

しかし、それでも絵を描くのは画家自身である。

人生も同じである。

どんな材料を与えられたかは選べない。

しかし、その材料をどう使うかは選べる。

アドラー心理学は、その可能性を信じているのである。

人生の主人公として生きる

アドラー心理学の実存主義は、とても厳しい考え方でもある。

なぜなら、

「誰かが人生を変えてくれる」

という期待を手放さなければならないからである。

しかし同時に、とても希望のある考え方でもある。

なぜなら、

「ここから先は自分で選べる」

という可能性を認めているからである。

過去は変えられない。

環境にも限界がある。

それでも、人間は今この瞬間に選択できる。

そして、その選択の積み重ねが人生を形づくっていく。

アナタの人生という作品を描いているのは誰だろうか。アドラー心理学は、その筆を握っているのはアナタ自身だと教えているのである。

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