なぜ正論ほど人間関係を壊すのか?アドラー心理学でわかる言わない勇気と関わり方
なぜ正論ほど関係を壊すのか?アドラー心理学でわかる「言わない勇気」とつながりの作り方
具合の悪いこと、破壊的なことを見つけたときは、できるだけちょっとしか物を言わないほうがいいんです。そんなときに逆上して感情的に物を言おうとすると、あなた方は縦の関係をつくる名人ですから、「あなたは間違っていて私は正しい」と証明したくなる。そして対人関係がますます悪くなる。
そんなときには、なるべく声をかけないで、最低限のことをちょっと言っておけばいい。「まあ一万円持ち出すの。一〇万円じゃなくてよかったわ」。そのかわり、もっと普通のことでたくさんのつながりをつくらなきゃいけないな、とそのとき認識すればいい。
結論から言えば、問題が起きたときに多くを語るほど関係は壊れる。関係を守るのは「言わない勇気」と日常のつながりなのである。
アナタの前提
アナタはこう思うかもしれない。
「間違っていることはきちんと指摘すべきだ」
「言わないと相手はわからない」
「正しいことを伝えるのが大切だ」
その考えはもっともらしい。
しかし、それは誤りである。
用語の定義
・縦の関係
→ 上下関係の中で相手を評価・支配し、「正しい/間違い」を基準に関わる関係である。
・横の関係
→ 対等な立場で尊重し合い、評価ではなく関係性を重視する関係である。
・勇気づけ
→ 相手の存在や日常に価値を見出し、安心して行動できるように支える関わりである。
・課題の分離
→ 自分の課題と他者の課題を分け、他者をコントロールしないという考え方である。
なぜ正論が関係を壊すのか
問題が起きたとき、人はこう動く。
・説明する
・説得する
・正しさを伝える
しかし、その背後には目的がある。
それは──
「自分が正しいと証明したい」という欲求である。
このとき関係はどうなるか。
上下が生まれる。
対立が生まれる。
つまり──
正論は関係を切断する力を持つのである。
なぜ人は言いすぎてしまうのか
ここにも目的がある。
・相手を変えたい
・コントロールしたい
・間違いを正したい
言葉を増やすほど、
相手を動かせる気がする。
しかし実際には逆である。
関係が悪化する。
それもまた一つの選択である。
「言わない」という選択
ここが核心である。
問題が起きたときに必要なのは、
多くを語ることではない。
最小限にとどめることである。
・必要なことだけ言う
・感情をぶつけない
・評価をしない
つまり──
関係を守るために「言わない」のである。
なぜ最小限でいいのか
人は言われて変わるわけではない。
変わるのは、
自分で選んだときである。
過剰な言葉は、
抵抗を生む。
防御を生む。
結果として、
何も変わらない。
本当に重要なのは日常である
引用の後半が重要である。
問題の場面ではなく、
日常である。
・普通の会話
・当たり前のやりとり
・何気ないつながり
これが蓄積されることで、
関係ができる。
つまり──
問題のときに修復するのではなく、日常で関係は作られるのである。
日常に潜む「関係を壊す関わり」
アナタは無意識にやっているかもしれない。
・問題のときだけ強く関わる
・普段は関係を作らない
・正しさを優先する
これらはすべて、
関係を弱くする。
問いと選択
ここで一つ、問いを持ってほしい。
「自分は今、相手を正したいのか、それとも関係を守りたいのか?」
その上で、こう選ぶこともできる。
→ 言いすぎない
→ 日常でつながる
結論
関係を壊すのは問題ではない。言いすぎることである。関係を守るのは、言わない勇気と日常の積み重ねなのである。
そして、その関わり方を選べるのは、今ここにいるアナタである。
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野田俊作は、日本におけるアドラー心理学の代表的な実践家であり、シカゴ・アルフレッド・アドラー研究所留学に留学し、アメリカのアドラー派(ドライカース系)の影響を受けながら、その普及に大きく貢献した人物である。初代日本アドラー心理学会会長。日本のアドラー心理学の第一人者!
