勇気づけとは何か?アドラー心理学と野田俊作でわかる不安を乗り越える「活力」の正体を解説
アドラー心理学の「勇気づけ」とは何か?性格を変える活力の正体
導入(引用+結論)
だから、我々治療者は、クライエント(来談者)が不安を乗り越えてくれるように工夫をしないといけない。その工夫を、アドラー心理学では「 エンカレッジメント(encouragement)」というんです。「 勇気づけ」と訳すこともあるんですが、あまりよい訳語ではない。「勇気」というと、私は何となく野蛮な感じがするんです。ここで言う「カレッジ(courage)」というのは、アドラーはドイツ語で書きましたので、元々はドイツ語で、「ムート(mut)」という言葉なんです。
──そんな言葉が西洋にもあるんですか。
ええ、「気力」「元気」「根気」「やる気」「勇気」の「気」ですね。それらを全部含めて、ムートっていう言葉を使うんです。だから、アドラーが勇気って言っているのは、活力、バイタリティというようなものだと思っていい。前向きの姿勢というような言い方をしてもいいと思う。とにかく、それがあれば、性格は変えられる。
結論から言えば、アドラー心理学の「勇気づけ」とは、単に励ますことではない。
人が一歩前に進むための活力や生命力を取り戻す援助なのである。
アナタの前提
アナタはこう思うかもしれない。
「勇気づけとは褒めることだろう」
「元気を出してと言うことではないのか」
確かに、
日常ではそう理解されることが多い。
しかし、
アドラー心理学の勇気づけは、
もっと深い意味を持っている。
なぜ人は動けなくなるのか
人は、
不安に支配されると行動できなくなる。
例えば、
・失敗が怖い
・嫌われるのが怖い
・傷つくのが怖い
すると、
挑戦する力そのものが弱くなる。
能力が足りないのではない。
動くためのエネルギーが失われているのである。
問題の構造
ここで構造を整理する。
不安が強くなる
→ 行動を避ける
→ 自信が失われる
→ さらに不安が強くなる
このループに入ると、
人はますます動けなくなる。
しかし重要なのは、
アドラー心理学は、
その人を責めるのではなく、
活力を回復することに注目することである。
アドラー心理学の視点
ここが最も重要である。
野田俊作は、
「勇気」を日本語の一般的なイメージよりも、
もっと広い意味で捉えている。
それは、
気力、
元気、
根気、
やる気、
生命力、
前向きさ、
そうしたものを含んだエネルギーである。
つまり、
勇気づけとは、
「頑張れ」と背中を押すことではない。
その人の中にある活力を呼び覚ますことなのである。
性格は固定されたものではない
引用文の最後に、
「それがあれば、性格は変えられる」
という言葉がある。
ここには、
アドラー心理学の重要な前提がある。
それは、
性格は運命ではないということだ。
変化を妨げているのは、
能力不足ではなく、
不安によって失われた活力かもしれないのである。
では、どうすればいいのか
答えはシンプルである。
自分の中の活力を少しずつ回復させることである。
例えば、
・小さな挑戦をしてみる
・できたことに目を向ける
・失敗しても行動した自分を認める
そうした積み重ねが、
前に進む力を育てていく。
日常に潜む「勇気の誤解」
アナタも、こんな経験はないだろうか。
・勇気がある人だけが挑戦できると思う
・自信がついてから動こうとする
・失敗しないことを目指してしまう
しかし、
アドラー心理学が言う勇気は、
英雄的な強さではない。
不安があっても、
一歩を選ぶための活力なのである。
問いと選択
ここで一つ、問いを持ってほしい。
「今の自分に必要なのは、能力だろうか。それとも前へ進む活力だろうか?」
そして、
別の選択をすることもできる。
→ 不安だけを見ない
→ 自分の活力に目を向ける
→ 小さな一歩を選んでみる
結論
アドラー心理学の勇気づけとは、
単なる励ましではない。
人が本来持っている活力や生命力を取り戻し、不安を超えて前へ進めるよう援助することである。
そして、
その活力こそが、
性格を変え、
生き方を変える力になっていくのである。
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野田俊作は、日本におけるアドラー心理学の代表的な実践家であり、シカゴ・アルフレッド・アドラー研究所留学に留学し、アメリカのアドラー派(ドライカース系)の影響を受けながら、その普及に大きく貢献した人物である。初代日本アドラー心理学会会長。日本のアドラー心理学の第一人者!
