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なぜ褒めると逆効果なのか?アドラー心理学でわかる私メッセージと勇気づけの本質

なぜ褒めても逆効果なのか?アドラー心理学でわかる「私メッセージ」と勇気づけ

 ではなぜ「ありがとう」とか「うれしい」だと勇気づけられて、「偉い」「頑張ったね」だと勇気づけられないかというと、「偉い」は「あなたメッセージ」だから。「あなたはよい、あるいは悪い」というのを、こちらが判断している。
「うれしい」とか「ありがとう」というのは、こちらがどう感じているかを言っている「 私(私注:わたし)メッセージ」です。相手をいいか悪いか判断するのは、勇気くじきなんです。

野田俊作『勇気づけの方法 アドラー心理学を語る』より

結論から言えば、相手を評価する言葉は勇気を奪う。勇気づけになるのは「評価」ではなく「自分の感情を伝える関わり」なのである。


アナタの前提

アナタはこう思うかもしれない。

「褒めることは良いことだ」
「頑張ったねと言えば相手は喜ぶ」
「評価しないと成長しないのでは?」

その感覚は一般的である。

しかし、それは誤りである。


用語の定義

勇気づけ
→ 相手の存在や過程に価値を見出し、「自分はできる」と感じられるように支える関わりである。

あなたメッセージ
→ 相手を評価・判断する形で伝える言葉であり、「あなたは〜だ」と規定する表現である。

私メッセージ
→ 相手を評価せず、自分の感情や受け取り方を主語にして伝える表現である。

勇気くじき
→ 相手の主体性や行動意欲を下げてしまう関わりである。


なぜ褒めると逆効果になるのか

多くの人は「褒める=良いこと」と考える。

しかし、褒めるという行為には構造がある。

それは評価である。

・偉い
・すごい
・よくできた

これらはすべて、

「あなたは良い/悪い」と判断している。

つまり──

上下関係の中で相手を位置づけているのである。


評価がもたらす問題

評価されると、何が起こるか。

短期的には嬉しい。

しかし長期的には、

・評価を求めるようになる
・評価がないと動けなくなる
・失敗を恐れるようになる

つまり──

主体的に動けなくなるのである。


私メッセージの本質

では、何が違うのか。

私メッセージは評価ではない。

自分の感情の表明である。

・ありがとう
・うれしい
・助かった

これは、

相手を「良い・悪い」で判断していない。

ただ関係の中で感じたことを伝えている。

つまり──

相手をコントロールしない関わりなのである。


なぜ人は評価してしまうのか

ここにも目的がある。

・相手を動かしたい
・コントロールしたい
・自分の期待通りにさせたい

評価は便利である。

相手の行動を操作しやすい。

しかしその代償として、

主体性が失われる。

それもまた一つの選択である。


勇気づけが起こる条件

勇気づけとは何か。

それは、

「自分はここにいていい」と感じられること。

そのためには、

評価されない関係が必要である。

・比較されない
・判断されない
・条件をつけられない

このとき、

人は自分で動き始める。


日常に潜む「勇気くじき」

アナタは「良かれと思っている」と感じるかもしれない。

しかし、日常に現れている。

・褒めることで動かそうとする
・結果で評価する
・できたかどうかで判断する

これらはすべて、

勇気くじきになりうる。


問いと選択

ここで一つ、問いを持ってほしい。

「自分は今、相手を評価して動かそうとしているのか、それとも関係の中で感じたことを伝えているのか?」

その上で、こう選ぶこともできる。

→ 評価をやめる
→ 感情を伝える


結論

人を動かすのは評価ではない。評価を手放したときにこそ、勇気づけは成立するのである。

そして、その関わり方を選べるのは、今ここにいるアナタである。

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  • 野田俊作は、日本におけるアドラー心理学の代表的な実践家であり、シカゴ・アルフレッド・アドラー研究所留学に留学し、アメリカのアドラー派(ドライカース系)の影響を受けながら、その普及に大きく貢献した人物である。初代日本アドラー心理学会会長。日本のアドラー心理学の第一人者!

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