なぜ人は問題行動を起こすのか?アドラー心理学でわかる「善意と所属欲求」の本質
なぜ人は「悪いこと」をしてしまうのか?アドラー心理学でわかる善意と行動のズレ
アドラー心理学では、人間の最も根本的な意図は善意であると考えます。なぜならば、人間の最も根本的な意図は所属だからです。共同体に所属をするということを目標に動いているわけですから、この目標は善か悪かといえば、これは絶対的に善です。ただその所属をするための手段として、たとえば復讐であるとか、たとえば権力闘争であるとかいうような、間違った副次的目標を置くことがあるかもしれません。それにもかかわらず、その究極的な目標は善なわけです。まずそのところをしっかりと見ないといけません。
結論から言えば、人の問題行動は「悪意」ではない。善意が誤った手段で表現されているだけである。
ここで、ひとつ確認しておきたい。
アドラー心理学は、性善説に立つ。
(正確に言えば、性善説に近い立場に立つ。)
アナタの前提
アナタはこう思うかもしれない。
「ひどいことをする人は悪い人だ」
「攻撃的な人は悪意を持っている」
「意地悪な行動には理由などない」
その感覚は自然である。
しかし、それは誤りである。
人間の最も深い目的
ここが核心である。
人間の根底には、
一つの方向性がある。
それが、
所属である。
・誰かの一部でありたい
・居場所を持ちたい
・つながっていたい
つまり──
すべての行動は「どこかに属したい」という方向を持っているのである。
なぜそれが「善意」なのか
所属という目標は、
他者とのつながりを前提とする。
・排除ではない
・孤立ではない
・破壊ではない
この意味で、
方向性としては善である。
つまり──
人間は根本において、関係を築こうとしている存在である。
問題は「手段」にある
ではなぜ、
問題行動が起きるのか。
ここにズレがある。
・所属したい
・しかし方法がわからない
・歪んだ手段を使う
例えば、
・復讐
・権力争い
・攻撃
これらはすべて、
目的ではない。
手段である。
なぜ手段が歪むのか
ここにも理由がある。
・過去の経験
・学習したやり方
・信念の偏り
その結果、
こうなる。
「こうすれば認められる」
「こうすれば注目される」
つまり──
所属を得るための戦略が誤っているのである。
行動の見方を変える
ここで視点を変える。
行動だけを見ると、
悪に見える。
しかし、
その背後を見ると、
違うものが見える。
・認められたい
・関わりたい
・つながりたい
つまり──
問題行動の奥には、所属への欲求があるのである。
なぜこの視点が重要なのか
見方が変わると、
対応が変わる。
・排除しない
・断罪しない
・理解しようとする
そして、
適切な方向へ導ける。
日常に潜む「誤解」
アナタは無意識にやっているかもしれない。
・行動だけで人を判断する
・悪意と決めつける
・切り離そうとする
これらはすべて、
表面だけを見ている状態である。
問いと選択
ここで一つ、問いを持ってほしい。
「この行動の奥にある所属への欲求は何か?」
その上で、こう選ぶこともできる。
→ 行動ではなく意図を見る
→ 手段ではなく目的を見る
結論
人間の本質は善である。ただし、その善意はときに歪んだ形で現れる。
そして、その奥にあるものを見抜けるかどうかが、関係の質を決めるのである。
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野田俊作は、日本におけるアドラー心理学の代表的な実践家であり、シカゴ・アルフレッド・アドラー研究所留学に留学し、アメリカのアドラー派(ドライカース系)の影響を受けながら、その普及に大きく貢献した人物である。初代日本アドラー心理学会会長。日本のアドラー心理学の第一人者!
