琥珀色の、ワイン。ジョージアにて。
この文章は世界の街を切り取った旅エッセイです。
題して「見知らぬ異国で、ひとりごつ」
ジョージアに着くまで、ワインをわかったつもりでいた。
ワインは、白か、赤。
日本では、そうだ。
ジョージアでは、違った。
レストランで、メニューを見る。
「アンバーワイン」琥珀色のワイン、と書いてある。
琥珀色。
白でも、赤でもない。
注文した。
運ばれてきたワインは、本当に、琥珀色だった。
オレンジがかった、黄金色。
グラスを傾けて、ひと口。
独特だ。
白ワインのような爽やかさ。
だが、赤ワインのような、渋み。
タンニンがある。
不思議な味だ。
「これ、何から作るんですか?」
「白ブドウだよ。皮ごと発酵させるんだ」
白ブドウを、皮ごと。
だから、琥珀色になる。
八千年の歴史があるという。
世界最古のワイン醸造地。
ジョージア。
もう一杯、注文した。
ローストした肉と、チーズと一緒に。
塩気の効いた料理に、よく合う。
うまい。
ジョージアは、居心地がいい。
人々は、優しい。
料理は、うまい。
ワインは、琥珀色だ。
そして、ビザが取りやすい。
日本人は、一年間、滞在できる。
長居してしまった。
一週間のつもりが、二週間。
二週間のつもりが、一ヶ月。
気がつけば、ずっといる。
琥珀色のワイン。
日本でも、売れそうだ。
グラスを、また傾けた。
琥珀色が、光に透けて、きれいだ。
―ああ、またひとつ、見知らぬ異国で、ひとりごつ。
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