痛みの原因。40代なのに。
違和感の始まり
冷え込みの厳しい、2月のある朝の事である。
目覚めた私は、左上腕部に違和感を感じた。
なんか痛いのである。
強い痛みではない。が、
上腕二頭筋あたりに鈍い疼きを感じる。
『寝ている間に筋でも違えたかな。』
2、3日もすれば、まあ、治るだろうと深く考えずにいた。
しかしである、2、3日経っても、
1週間経っても、さらに1カ月が経過しても
痛みは改善しない。
というか、痛みはどんどん増すばかり。
そして痛みの範囲も広がってきている気がする。
当初、上腕二頭筋周辺の痛みだったものが、
手首あたりも何故だか痛む。
湿布を貼ってもこれと言って効果なし。
だんだん、怖くなってくる。
日頃、医療機関的な場所を避けて暮らすわたしだが、
そうも言っていられない。
痛みのはじまりから、2ヶ月程経過したところで、
やっと重い腰を上げる。
今後の通院の事も考えて、
会社から近い整形外科を受診。
診察を受け、首周辺のレントゲンをバシバシ撮られる。
ちなみに、
この医師はびっくりするくらい早口で、
何を言っているのか聞き取れない。
何とか聞き取れた単語を頭の中でつなぎ合わせると、
″頸椎ヘルニアの可能性があるので、
大きい病院でMRIを撮ってこい”との事のようだ。
『何なら今からでも予約できるけど、どうする?』
と聞かれるが、心の準備ができていないので、
翌週末にMRIの予約を入れてもらう。
それにしても頸椎ヘルニアとは。
考えた事も無かった。
思いの他、体にガタが来ているようで、
割とかるくショックを受ける。
MRIと謎の音楽。そしてリハビリ。
翌週、総合病院でMRI撮影。
MRI撮影は15年ぶりくらいか。
久しぶりに円筒形の機械に身を投じる。
技術の進化は日進月歩にも関わらず、
あの轟音はほぼ変わっていない。
わたしの行った病院では、
気休め用の音楽が自分で選べるらしい。
以前は、クラシックとか、
なんか聞いたことのある曲のインストロメンタル
がデフォルトだった記憶なのだが、
何なら、持参すれば自分の好きなCDを
かけてもらえるとのこと。
めんどくさいので、選曲はおまかせする。
ヘッドホンの奥から、シャカシャカと聴こえてきたのは
ヒゲダンの曲・・・だと思う。たぶん・・。
おそらく、ヒゲダンのアルバムがかかっているのだと思う。
しかし、ヒゲダンに詳しく無い為、
アルバムの曲ではピンとこないのである。
声の感じから多分、ヒゲダンなんだろうな・・いや、違うのか?
撮影中、ずっとその事が脳内をぐるぐるめぐり、
最終的に正解がわからないまま終了。
正直、今も、誰のCDを聞かされていたのか
わたしは知らない。
翌週、画像をもって、整形外科へ。
結果としては、やはり頸椎ヘルニアとの診断。
医師はいつもの早口で
『ひどくなると、手術しなくてはいけなくなるので、
しばらくは毎日、リハビリに来るように』
といった旨の話をまくしたてる。
毎日リハビリに来いと簡単に言うが、
診療時間は18時まで。
いくら会社から近いと言っても、
毎日通うのは社会人にとっては至難の業だ。
『毎日はちょっと・・・』と遠慮がちに抵抗するものの、
『できるだけ来て!!』とのこと。
仕方ないので、
2日に1回、仕事を切り上げて病院へダッシュする事にする。
病院についた頃にはダッシュによって疲労困憊。
健康のために不健康になっているという矛盾。
首の温めと牽引の後、滑車を使った腕の運動。
首周辺が温まるのは気持ちいいのだが、
気持ちいいだけで、症状は改善しない。
というか悪化している気がする。
左腕が上がらなくなってきている。
心配になってネット検索。
頸椎ヘルニアの症状について次のような説明。
首や肩甲骨、腕の痛みが代表的な症状ですが、進行すると手足のしびれが生じ手や足の動きも悪くなることがあります。
医師への疑念と転院
たしかに肩から手にかけて痛む。
しびれは有るような無いような。よくわからない。
ただ、首まわりはどんなにひねっても、
まわしても何の痛みも無い。
本当に頸椎ヘルニアなのか。
頸椎ヘルニアなのに、頸部に何の症状も出ない
という事があるものなのか。
だんだんと、早口医師に疑念の気持ちが湧いてくる。
早口医師には口を挟む隙が無い為、
意を決して、
他の整形外科へかけこんだ。
今までの経緯を説明し、
改めてレントゲン撮影。
痛みのある箇所をエコー検査。
医師から下された診断は、
『肩関節周囲炎ですね。いわゆる五十肩です。』
関節を構成する骨、軟骨、靭帯や腱などが老化して肩関節の周囲組織に炎症が起きる事が主な原因と考えられてます。
頚椎ヘルニアではない事の
答え合わせができてすっきりだが、
40代なのに五十肩との診断に
かるくへこむ。
『四十肩ではなく五十肩。40代なのに。』
念のために、四十肩と五十肩の違いをググってみる。
明確な違いはなく、
発症した年齢によって呼び方が変わるだけの模様。
なら、なおさら四十肩でよいのでは?
と思うものの、
今度の医師は、説明も聞きやすく丁寧。
リハビリにしても、
平日の通院が厳しい意向を汲んでもらい、
教えてもらったストレッチを自宅で実践する前提で、
週に1回、土曜だけの通院でよいと。
同じ整形外科でも、ここまで違うかっ!と
目からうろこ、天と地とである。
リハビリについても理学療法士さんが
丁寧にカウンセリングしてくれるし安心だ。
現在も週一で通院しているが、
おかげさまで、痛みはだいぶ軽減されている。
腕の可動域もだいぶ改善した。
もうしばらくは通院を要すると思うが、
まじめにリハビリに励んでいる。
痛みがくれた気づき
五十肩になってみて、
45年も生きてきたら、
あちこちにガタが来るのも当然だよなと改めて実感。
もともと私は体が硬い。
昔から、両腕を背中でクロスできない。
お世話になっている、理学療法士さんに聞くと、
関節を柔らかく保つ事は、
五十肩や思わぬ怪我の予防になるようだ。
今回のことで、
20年後30年後の自分の為に、
今の自分の体と向き合う事の大切さに気づかされた。
痛みは、体が発する「自分を見つめ直す」ための
サインなのかもしれない。
日々の小さなストレッチも、明日の自分を守る一歩になる。
そんな気づきをくれた今回の痛みに、少しだけ感謝である。
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