無価値の歩き方 #04「コインランドリー」 ――第2章:揺るがぬ心の置き方
無価値の歩き方
Laed:サエコ
コインランドリー
乾燥機のドラムが、ゴウン、ゴウンと重たい音を立てて回っている。
私はプラスチックのベンチに座り、ただその単調な回転を眺めていた。
ここはBランク居住区の端にある、古びたコインランドリー。
乾燥が終わるまでの残り時間は、あと15分。
私のリム・タグは相変わらず、
初期値の「12万」からピクリとも動いていない。
「サエコ、だな」
不意に、ドラムの音を遮るように冷たい声がした。
見上げると、仕立ての良いダークスーツを着た男が立っていた。
目元には、フレームのない極薄のスマートグラス。
首の後ろのリム・タグは、プラチナ色の特殊なカバーで覆われている。
プレイヤーズ・ギルドの査定士だ。
「えぇ……」
私はベンチから立ち上がらずに、適当に相槌を打った。
「ギルド統合査定局のシバだ。
数日前、未換価地域の境界線で未成年の訓練生と接触したな。
その直後、彼のタグからマイナス反応が完全に消失した」
シバはグラスの奥で、値踏みするように私を見下ろした。
「そして、お前のデータだ。
15歳から今日まで、スコアの変動が一切ない。
プラスもマイナスも完全なゼロ。
……あり得ない数値だ」
「あり得ない
……んですか?
ふう〜ん……」
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