0.1秒の逡巡 #11:託されたバックドア ―― 愛すべき偶然
0.1秒の逡巡
Laed:ミライ
漆黒の虚空へ放り投げられたダイスが、コンクリートの床に落ち、高く澄んだ音を立てて跳ねた。
カラ、カラリ……と不規則な音を立てて転がり、やがてピタリと静止する。
上を向いた出目は『3』。奇数だ。
「……馬鹿馬鹿しい。
それが君の選んだ結論か」
玖珂のホログラムが冷酷に腕を振り下ろした。
私をロックオンしていた四機の防衛ドローンが、低い駆動音を鳴らし、致死量の薬物を装填した針を射出しようとした――その刹那だった。
『……奇数ですね。
では約束通り、
私がセキュリティをこじ開けましょう』
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