無価値の歩き方 #05「過剰演出」 ――第2章:揺るがぬ心の置き方
Laed:サエコ
過剰演出
ギルド本部の地下。
真っ白な球体状の尋問室の中央で、私は椅子に座らされていた。
壁から天井、床に至るまで、部屋のすべてがモニターになっている、いわゆる「6DX」の部屋らしい。
ガラスの向こう側から、シバのマイクを通した声が響いた。
「お前の過去のデータは異常だ」
「そうなんですか?」
「15歳から今日まで、課税対象となる
『大きな感情の揺れ(スパイク)』が
一度も記録されていない。
そんな人間いるはずがない」
「う〜ん……って言われても……ねぇ」
私は真っ白な空間を見回しながら、
小さく首を傾げた。
「システムが感知できないほどの微細な
プラスを地味に貯蓄し続け、
マイナスを相殺している……そんな生き方、
あり得ないんだよ」
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