悠久の時が灯す灯り――欲望の黒い井戸 :革命の歴史 Vol.24.2
MC: アイ、ユウ
「神が地中深くに封印した黒い血。
私たちは光を求めて、自らその封印を解いてしまった」
光の代償と特異点
ユウ:
前回の終わり方、マジでホラーでしたよね。
街を照らす光の需要は爆発してるのに、クジラは激減。
遠くの海に行けば行くほどコストが跳ね上がって、完全にシステムが詰んでる状態。
あのままじゃ、人類は暗黒時代に逆戻りする寸前だったんですよね?
アイ:
ええ。19世紀半ばの人々は、いつか尽きてしまうかもしれない油の底を怯えながら覗き込んでいたわ。
でも、歴史は暗黒には戻らなかった。
人類が絶望的な枯渇に直面していたまさにその時、アメリカのペンシルベニア州で、歴史の「特異点」が生まれたの。
ユウ:
特異点……。
ちょっと待って、もしかして海じゃなくて、全然違うところに目を向けた人がいたってことですか?
アイ:
ご名答よ。
エドウィン・ドレークという男が、人類の歴史を根底からひっくり返す偉業を成し遂げたわ。
それまで「石の油」と呼ばれていた原油は、塩水の井戸に混ざる厄介な不純物か、地面に染み出たものを細々と布で吸い取って薬にする程度のものだった。
でも彼は、蒸気機関の力で岩盤を貫き、鉄のパイプを地中深く打ち込んだのよ。
【革命:1859年 機械式油井の誕生(光の革命)】
エドウィン・ドレークが成功させた、地中深くパイプを打ち込み、機械で原油を連続的に汲み上げる技術。
これにより、人類はエネルギーの依存先を「地表の生物資源(クジラ)」から「地下の化石燃料(黒い血)」へと劇的に乗り換えた。
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