星と時間の道しるべ:海道を照らす星座 ―― 革命の歴史 Vol.23.2
革命の歴史
MC: アイ、ユウ
海という巨大な空白に、人類は『時間』という名の狂気で直線を引いた。
見えない線を求めて
ユウ:
アイ先生、前回の「星読み」の話、すごく面白かったです。
地面の風景じゃなくて、絶対に動かない「空の星(絶対座標)」を基準にするようになったというお話でしたよね。
でも、ふと思ったんです。
陸地ならまだしも、周りに島一つない360度水平線の「海の上」だったら、どうやって自分の位置を知るんでしょうか?
アイ:
いい着眼点ね、ユウ。
まさにその「海の上での現在地」こそが、18世紀までの人類を絶望させ続けた、歴史上最も厄介なシステムエラーだったのよ。
ユウ:
システムエラー?
星を見上げてもダメだったんですか?
アイ:
南北の位置、つまり「緯度」は星や太陽の角度で比較的簡単に測れたわ。
でも、東西の位置である「経度」だけは、どんな天才天文学者にも、ガリレオやニュートンにすら正確に測ることができなかったの。
地球は自転しているから、星の見える位置が時間とともに横にズレていってしまうからよ。
【解説:経度の悲劇】
大航海時代、経度が測れないことは致命的だった。
船長たちは「勘」で東西の位置を推測するしかなく、結果として多くの船が暗礁に乗り上げ、何万人もの命と莫大な富が海の藻屑となった。
1707年のシリー諸島沖の海難事故では、イギリス海軍の艦隊が経度を読み違えて座礁し、一晩で約2,000人の水兵が死亡している。
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