【アニメ感想】おにまい1話「兄と妹との心のズレ」お兄ちゃんはおしまい!
こんにちは、アッ子Pです。
今回は、2023年冬アニメ『お兄ちゃんはおしまい!』の第1話を観た感想をお届けします。
※ネタバレを含みますのでご注意ください。
《問題作、ついに始動》
2023年冬アニメはほぼノーチェックだった私ですが、この作品だけは唯一「観てみよう」と思い、事前にチェックしておりました。
私の好みとしては《萌え》《美少女》《日常》《百合》あたりのジャンルが主軸。その意味ではこの作品、たぶんいけるだろうと思っていた反面、《フィクションにおける性転換モノ》には少し距離を感じていたところもありました。
どんなに見た目が可愛くても、心が女の子でないと、どうしても百合としては響かない。
「百合に挟まる男」──そう見えてしまうと、途端に距離ができてしまうんですよね。
《描写の誠実さが信頼を呼ぶ》
とはいえ、1話を観て思ったのは、「これはかなり真摯に作っている」ということでした。
作画、演出、脚本、どれをとってもレベルが高い。そして、「性転換コメディ」というジャンルを、安易な笑いに逃げず、しっかりエンタメドラマに昇華しようとしている気概が伝わってきます。
ポンポさんの言葉を借りれば、
《泣かせ映画で感動させるより、おバカ映画で感動させる方がかっこいい》
──まさにそれを体現している作品だと感じました。
《リアルに踏み込む台詞》
冒頭、性転換を終えたばかりのまひろが放つ「なんか体がだるいような…」という一言。これは、身体の急激な変化に対して肉体的疲労感を感じている描写なんですね。
完全なファンタジー設定で済ませず、リアリティを持たせようという姿勢が垣間見えます。
また、トイレの描写にしても直接的なものではなく、《視聴者の想像を喚起させる作り》になっている点が印象的でした。
《みはりのヤバさと優しさ》
まひろの妹・みはり。一見「ニートの兄を更生させるために薬を盛る」という強引さを持ちつつも、その言動の端々に《兄への愛情》がにじんでいます。
小さな物を大切に扱うような仕草、まひろへの気遣い、どれもが丁寧に演出されています。
それだけに、まひろがみはりに感じていた《劣等感と距離感》も、単なるひがみではなく、妹への愛とのアンビバレンツとして響いてきます。
《感情の交差》
成績優秀で完璧な妹に引け目を感じる兄──という構図は古典的ですが、この作品はそこに「視線」と「気づき」を丁寧に重ねています。
まひろの視点から描かれるみはりの姿、そして運動会でしょうか、「お兄ちゃん、やったよ。応援してくれてありがとう」と笑顔で語るカットは、《兄としての劣等感》という痛みと、《妹を誇らしく思う》という想いが交錯する名シーンでした。
《お兄ちゃんはおしまい? それとも…》
完全に身体も立場も「妹に追い抜かれてしまった」まひろ。もう、お兄ちゃんは「おしまい」なのか?
ここからどう再生していくのか。
もちろん、「そのまま身も心も女の子になっていく」という筋もあり得ますし、それはそれで一つのフェティシズムの昇華だと思います。
でもこの作品、たぶんそこだけを目指してはいない。
《ライトな萌えアニメの形をとりつつ、心の再生を描こうとしている》ようにも見えるんです。
《期待値を上げてくれた第1話》
フェティシズム描写もありつつ、不快感はなく、むしろ《誠実なドラマとしての入口》を丁寧に整えてくれていた。
期待して観ていけそうな1話でした。
アッ子Pでした。

