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人の所業ではない家で育ちました


物心ついたとき、
家には男という生きものが二人、すでにそこにいた。

兄たちは私より、四年、五年先に生まれている。

この二人の生きものが、
私の「男」という生き物の概念をつくった。


凄まじい遊びをする、年子である。

逸話は、大人になればなるほど
私を震撼させる。



両親は店を持ち、従業員もいて、
朝から夜遅くまで働きづめだった。

休日は、両親そろって昼近くまで眠っている。

そんな二人を横目に、
当時暮らしていたアパートの四階から、
兄たちはベランダへ出る。

手にしているのは集金袋。
そして躊躇なく
札束をばら撒いた。

一か月分の売り上げ、すべてだ。

地上では、マンガのような歓喜の声が上がり、
人々が空を見上げ、紙幣を拾い漁る。

それを見て、
兄たちは大笑いしながら喜んでいる。

現在のお金で何百万円。

両親が目を覚まし、異変に気づいたとき、
地上に残っていたのは、
隅っこに落ちていた一万円札が一枚だけだった。

人の所業ではない。

怖しい
怖しすぎる生物。



私が両親なら、
息の根を止めたい。


数か月後には、またもや同じベランダに立つ二人。

今回は二人で抱えている。

ーー漬物石を。

下に停めてあった車めがけて落とす。

ボンネットに直撃した漬物石は、
もちろん車を破壊した。

両親よ。
もう、殺していいと思うぞ。
人が下を歩いていたら殺人だ。


カエルに爆竹。
鼻くそをストーブで焼く。
おならの匂いを手で掴み、
私の前に投げる。

ーーバカなことは日々繰り返される。
進化ではなく反復だ。

毎日毎日、
二人はゲラゲラと笑い転げている。

母はヒステリックに怒る。

一瞬シンとする。
だが二つの生物は、
数分後には記憶を失うらしく、
再びゲラ笑が部屋を埋める。

毎日毎日その生物の側で育った私は、
かなり自由だった。

両親の意識は、制御不能の生物を、どうやって人間にするか!という挑戦に向いている。 


私の息子の行動は常識の範囲内。
両親の挑戦を見ていた私は、
もっと弾けろ!
どこでも行ってこい!
何やったって構わない!
と育ててしまうのは必然であろう。

両親よ。

私は、尊敬します。

あの二人を、
育てあげたあなた方を。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

昨日投稿した、ひい婆ちゃんの話を思い出していたら、昔を沢山思い出しました。

人の所業ではない家で育った私が、
なんとか大人になっています。

成長するにつれ、うちの兄達が“男”ではなく“怪獣”だったのだと知っていきました。
世の男性方すみません!汗

子育てに行き詰まったとき、
「まあ、こんな家もあったな」と
笑ってもらえたら嬉しいです。

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サポ なんと‼️ そんな神みたいな方がいらっしゃるとは😭 いいのですか?😭💦 嬉し過ぎます❣️❣️❣️