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nekonosara
「自由帳を買ってきて」と彼女は(#シロクマ文芸部)
「自由帳を買ってきて」と彼女は言った。
娘は絵を描くのが好きだった。物心がつく頃には、いろいろなものを書いていた。
彼女がノートに線を引くと、それは命を吹き込まれたように息づき、紙から抜け出して歩きはじめた。
それはあっという間に評判になって、多くの人がその作品を見に来るようになった
「夏が来る前に、これを仕上げないと」
ある日彼女はそう言って、絵の具でグラデーションを作っていた。腕を買われて、南極のオーロラの一部を描く役割を任されたらしい。
彼女の手元から美しい虹色が立ち上る。
それが遠い果ての夜空に飾られるのを想像し、私はうっとりした。
了
#シロクマ文芸部 さんに参加させていただきました。うっかりして遅刻してしまった… すみません!
どうぞよろしくお願いします。
