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kitako_33
ゆっくりと世界が (#シロクマ文芸部 ショートショート)
ゆっくりと世界が回る。僕はくるくると回転していた。
公園に昔よくあった、球体の大きな鉄棒の遊具が僕は好きだった。あれにしがみついていると、景色がブンブンと勢いよく移動していく。自分がすごい速さで飛んでいくのに夢中になって、よく乗っていた。けれど、中心の棒の所に座ると、回ってはいるが静止している。駒のように回り続ける。その差が面白くて、座る位置を変えては遊んでいた。
けれど、シーソーのようにだんだん危険だということになって、その遊具も撤去されたり、動かないように固定されたままになってしまった。
僕の子どもは怖いもの知らずで、ブランコに乗っては水平になるほど思いきり漕いだり、1番高くなった位置から飛び降りたりしていたが、それさえも無くなってきている。
公園はただの広い原っぱになり、子どもの笑い声も消えていっている。
そのうち、夜に影だけが遊んでいるようになってしまうのかもしれない。
そんなことを思いながら、僕は缶コーヒーを飲み干し、ベンチを立った。
了
#シロクマ文芸部 『ゆっくりと』から始まる小説?を書いてみました。
うっかり遅刻してしまいました。すみません!
どうぞよろしくお願いします。
