『間違ったZWIFT活用方法』 4選
ボーボボをサムネイルにすることにより、胡散臭さを増す事に成功。
だが、内容は真面目寄りになっている(はず…)
1.ゲーム内のバイク設定
ZWIFTでレースやグループライドに参加する時、あなたはどのフレームとホイールを選んでいますか?

「Tron Bike」や、最速と言われる「S-WORKS Tarmac SL8」に「DT Swiss」の組み合わせ。
少しでも楽に、少しでも良いリザルトを求めて、最速のセットアップで挑んでいる人がほとんどでしょう。
しかし、もしあなたの目的が「リザルト」ではなく「強くなること」なら、今すぐその最速装備を脱ぎ捨てるべきです。
その「2W」を節約して、何を得るのか?
ログを見て、「298W・4.9W/kg」という数字にため息をついたことはありませんか?
「あと2W高ければ、大台の5W/kgに乗ったのに……」
その足りなかった2W、実はあなたが選んだ「最速機材」が削ってしまったものかもしれません。
最速機材は、空気抵抗を減らし、あなたに「楽をさせて」くれます。しかし、トレーニングの観点から見れば、それは「得られたはずの負荷をドブに捨てている」のと同じことです。
常に「遅い装備」で、周りを圧倒する負荷を。
強くなりたければ、あえて「周りよりパワーを出さないとついていけない状況」を自ら作り出すことが必要です。
S-WORKSを降りて、Colnago V3RSに跨ること。
このバイクは面白い。世界最高峰のレースであるツール・ド・フランスを制覇した名機でありながら、ZWIFTの世界では「絶妙な遅さ」に設定されている。
この「絶妙な遅さ」のバイクで集団に食らいつこうとすれば、周りより常に0.3W/kg、あるいはそれ以上の出力を出し続けることを強いられる。
リザルトの数字以上に、肉体に刻まれるワット
最速機材で出した「見栄えの良いリザルト」と、遅い機材で必死に耐えて叩き出した「0.3W/kg高い出力」
1年後、どちらがあなたを強くしているかは明白だ。
あなたが欲しかった「あと数ワット」は、機材をあえてグレードダウンさせるだけで、強制的に、そして確実に手に入ります。
2.Zone1とZone2の境界線の低強度

冬のベース作りの定番といえばLSD(低強度トレーニング)です。
しかし、あなたは「Zone 1とZone 2の境界線」あたりで、ペダルを回していませんか?
リカバリーにしては少し心拍が上がり、LSDにしては呼吸に余裕がありすぎる。
どっちつかずの強度です。
もしその強度で何時間も乗っているなら、今すぐ見直すべきです。なぜなら、その強度はトレーニング効果としての期待値が、驚くほど低いからです。
伸びなかった「いくつかの冬」が教えてくれたこと
私自身、かつては「とにかく低強度で距離を乗ればベースができる」と信じ、Zone 2の下限付近で何シーズンも冬を越してきました。
しかし、春になって強度を上げたとき、待っていたのは「期待したほど伸びていない」という残酷な現実でした。
体脂肪は燃えるかもしれません。しかし、実戦で必要な「ベースの底上げ」には、その強度はあまりにも刺激が足りなかったのです。
社会人に「無駄な1時間」などない
プロ選手のように1日6時間乗れるのであれば、Zone 2の下限でも意味はあるでしょう。
しかし、私たちには仕事があり、家族があり、限られた時間しかありません。
せっかく貴重な時間を削ってローラーに乗っているのに、「なんとなく乗っているだけ」の強度で時間を消費するのは、あまりにも勿体ない。
身体が出した答え:Zone 2とZone 3の境界線を攻める
試行錯誤の末、私の身体が答えを出しました。
現在の私のLSD強度は、「Zone 2とZone 3の境界線」です。
「ただ回しているだけ」の状態から、「常にトルクをかけ、心肺に確かな負荷を感じ続ける」状態へ。
「楽な低強度」という幻想を捨て、ターゲットを一段階引き上げる。
それだけで、あなたの冬の1時間は、2倍、3倍の価値を持つトレーニングへと変貌します。
3.実走で速くなりたければZWIFT漕ぎ(ダンシング)をするな!

ZWIFT中、勝負や高強度でついついダンシング(立ち漕ぎ)に逃げていませんか?
画面の中では確かにパワーの数字が跳ね上がり、集団を置き去り、指定パワーにできるかもしれません。しかし、そのフォームを身体に染み込ませれば込ませるほど、あなたの「実走の速さ」は失われていきます。
室内と外。重力の向きが「決定的に」違う
インドアトレーナー、特に固定ローラーにおいて、車体は地面にロックされています。
この状況でのダンシングは、重心が安定しているため「ペダルに体重を乗せる」ことが極めて困難です。結果として、身体を左右に不自然に振り、無理やり筋肉でペダルを押し込むだけの「インドア専用のダンシング」になってしまいます。

エリートレベルのインドア専用選手たちは、この「室内で最も効率よく数字が出る漕ぎ方」を極めています。しかし、それをそのまま外へ持ち出すとどうなるか。
「数値」は出ても「速度」にならない悲劇
実走では、車体は左右に倒れ、路面からの反発があり、風圧を受けます。
ZWIFTで身につけた「車体を固定したまま筋肉でこじ開けるダンシング」を外でやると、重心がバラバラになり、タイヤの接地圧が逃げ、パワーの半分も推進力に変換されません。
「ZWIFTなら1000W出るのに、外のスプリントでは全く伸びない……」
その原因は、室内でパワーの数字を出すためだけに最適化された、その偽物のダンシングにあります。
シッティングで「地脚」を削り出せ
本当に実走を速くしたいなら、ZWIFT中こそ「シッティングで耐える」ことにこだわってください。
インドアで体重が乗りにくいからこそ、座ったまま腹圧をかけ、股関節からパワーを絞り出す。その「シンドい漕ぎ」こそが、実走の平坦や緩斜面で相手を千切るための「本物の地脚」を育てます。
「パワーが出やすいから」という理由で安易に立ち上がるのは、トレーニングの質を自ら下げているのと同じです。画面の数字を追うのをやめ、実走でバイクを走らせるための筋肉に刺激を入れ続けましょう。
4.インドアトレーニングにエアコンは「不必要」!?

現代のインドアトレーニングにおいて「エアコンで室温を下げ、巨大な扇風機で冷やす」ことはもはや常識です。しかし、あえて提唱したい。
「本当に実走で勝ちたいなら、そのエアコンを切れ」と。
もちろん、これは「単に暑さを我慢しろ」という精神論ではない。極めて合理的な、「熱順応」という戦略です。

夏のレースに「エアコン」はない
思い出してください。あなたが目標とするロードレースも、ヒルクライムレースも、本番の環境は決して「快適」ではないはずです。
30度を超える酷暑、アスファルトからの照り返し。その極限状態で、あなたの身体はパフォーマンスを維持できますか?
常に20度前後の「無菌状態」のような涼しい部屋でトレーニングしている人は、身体が熱を逃がす方法を忘れてしまいます。結果として、実走の暑さの中で深部体温が上がり、脳がブレーキをかけ、ZWIFTで鍛え上げたはずのワット数は霧散します。
「熱」を負荷の一つとして捉える
暑さを「風向き」や「勾配」と同じトレーニング負荷の一つだと考えています。
エアコンを切った室内。滝のように流れる汗。その中で、いかに心拍数をコントロールし、高い出力を維持し続けるか。この「熱への耐性」を養うことは、冬の間に5WのFTPを上げるよりも、夏のレース結果に直結します。
汗を効率よくかき、血液を皮膚表面に送り、それでも筋肉への酸素供給を絶やさない。この高度な生体機能は、快適な環境では絶対に鍛えられません。
身体が「答え」を出し始める
実際、この夏エアコンを頼らずにトレーニングをしました。目に見えて発汗の質が変わりました
。体温調節機能が研ぎ澄まされ、暑い環境下でも適応できる。これこそが、数字には表れにくい「実戦的な強さ」です。

「快適に、高い数字を出す」のはゲームの楽しみ方です。
「過酷な環境で、出力を落とさない」のがレーサーの鍛え方です。
エアコンを切り、窓を開け、扇風機のみでじっとりと汗をかきながらペダルを回す。
その一歩踏み出した先に、夏のレースを制する「真の肉体」が待っています。
ZWIFTは、私たちサイクリストに「可視化された強さ」という最高の快感を与えてくれました。
しかし、その快感に溺れ、画面の中の数字を積み上げることだけが目的になってはいないでしょうか。
今回挙げた4つのポイントは、かつての私が無意識に陥っていた「甘え」です。
最速機材でワットを節約し、
楽な低強度で時間を潰し、
室内専用のダンシングで数字を稼ぎ、
エアコンの効いた部屋で快適に追い込む。
その結果待っていたのは、実走で「進まない自分」に絶望する未来でした。
これらの「ぬるま湯」から脱却するためのプロセスです。
求めるのは、ZWIFTのリザルトではなく、どんな過酷な環境下でも、路面を力強く押し切れる「本物の地脚」のはずです。
もし、あなたが今の自分の伸び悩みに疑問を感じているなら、一度「リアル」を見つめ直してみてください。
目標を達成するためのツール。
それがZWIFTです。
目標、目的を今一度思い出し、ペダルを漕ぎましょう🤪
