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【吃音症のリアル vol.2】「ゆっくり喋りすぎ」と言われ続けた、高3の面接練習 ―就活編―

就活が始まると、多くの人が「自己PRの練習」や「志望動機」を主に考えるでしょう。

しかし、吃音症を持つ人だけが、もう一つ余分な戦いをしています。

「今日は、詰まらずに名前を言えるだろうか」という戦いです。

面接会場の椅子に座った瞬間から、頭の中の半分は志望動機のことを考え、もう半分は「最初の一文字目、声が出るかな」という不安に支配されます。

本来なら100%の集中力で臨みたい場面なのに、常に脳内は"吃り"のことばかり考えています。

そして、実際に詰まってしまった瞬間。

面接官の表情が変わる。
ペンを持つ手が一瞬止まる。
「ん?」と言葉には出さなくても、私たちはなんとなく察知します。

このvol.2では、就活・面接という、吃音症を持つ人にとって最もプレッシャーの大きい場面を取り上げます。

▪️高校3年生、面接練習で過呼吸になりかけた日

ここからは、私自身の実体験です。

高校3年生のとき、進路のための面接練習がありました。先生の前で、志望動機や自己PRを話す、あの独特の緊張感のある時間です。

話し始めると、もちろん吃音の症状がでます。
言葉と言葉の間に、一文字目の連呼や詰まり、引き伸ばしが混ざります。

けれど先生には、それが「吃音」だとは伝わりません。

「ゆっくり喋りすぎ」
「もっとテンポよく」と、何度も何度も注意された。

自分では止められない症状を、話し方の癖や態度の問題として指摘され続けているようです。

直そうとすればするほど、余計に言葉が詰まる。
焦れば焦るほど、症状は強くなる。

その悪循環の中で、気づけば呼吸が浅く速くなり、過呼吸になりかけるところまで追い込まれました。

先生達の言葉の裏には、悪意なんてないと分かっていても「何もわかってくれてないくせに」と先生を嫌っていました。

ただ、吃音という症状そのものが知られていなかったから、「態度の問題」として片づけられてしまったのかなと思います。

そのことが、症状そのものよりもずっと苦しかった。

――この経験は、今も鮮明に覚えています。
就活における吃音症の一番つらいところは、「言葉が出ない」こと自体よりも、「その症状の正体が伝わらないまま、態度や性格の問題として判断されてしまう」ことにあるのではないでしょうか。


▪️なぜ面接は、吃音症にとって”最悪の条件”が揃っているのか

面接という場面は、偶然にも吃音症が悪化しやすい条件がすべて揃っています。

初対面のプレッシャー
関係性ができていない相手ほど、緊張は強くなりやすい

一発勝負・やり直し不可の空気
「言い直せばいい」と思えず、余計に力が入る

評価されているという意識
話し方そのものが採点対象だと感じてしまう

決まった言葉を言わなければというプレッシャー
自己紹介・志望動機など、“正解の言葉”を求められる場面ほど詰まりやすい


これは気合いや練習量の問題ではないのです。

まずはこの事実を知っておくだけで、「自分だけができていない」という自己否定を少しは手放せますね。


▪️まとめ

就活・面接という場面は、吃音症を持つ人にとって、準備してきたものすべてが数十秒のやりとりで判断されてしまうかもしれないという、特有の重さを持っています。

けれど、「話し方」そのものは変えられなくても、「準備の仕方」は、練習と設計で確実に変えていける部分があります。

今後の記事では、就活を乗り越えたその先
――「職場」という、長期的に付き合っていく環境での吃音症との向き合い方を取り上げます。

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