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【コラム】シネコンになる前

実家から行くことができた映画館は、シネコンが普及する前は入れ替え制ではなく、余程の大作でない限りは二本立てだったと思う。邦画の場合は一本立てだった作品の記憶がない。途中から入っても二本目を観て、さらに次の回を観れば話は繋がった。

そして映画館は汚かった。建物は古く、シートはへたり、床にはゴミが落ちていた。独特の臭いもあった。席は指定でないから人気の作品では時間次第で立ち見も出た。ポルノと普通の作品を時期をずらして上映していた所もあった気がする。

上京して驚いたのは、映画館が綺麗なのと入れ替え制で一本立てであること。大手の劇場で二本立てだった記憶がない。二本立ての記憶は名画座くらい。一本立てで入れ替え制なのは綺麗な空間の提供代だと解釈していた。有楽町のマリオンなんて宮殿だと感じたくらい。それくらい映画館と聞いてイメージするものとかけ離れていた。

しかし東京でも二本立てだった時代もあるそうだ。マリオンができる前の日劇の時代だろうか。旧日劇に行ったことはない。行ってみたかったな、行った経験がある人が羨ましい。

最後に汚い映画館に行ったのは「ゴースト/ニューヨークの幻」を地元で観た時。これより新しい記憶はない。1990年の公開だが、ロングランなのか再上映なのかは不明だが1991年に観たと思う。何と35年も前だ。この後は暫く地元で映画は観なかったと思う。

もはや汚い映画館を知らない人の方が多いのかもしれない。

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