【20世紀 J-POP】Forget-me-not
私は尾崎豊をリアルタイムで聴いていた世代に当たるが、彼が存命のときは特に関心は無かった。「北の国から」の中で純くんとれいちゃんが尾崎豊が好きと言っていた会話にも乗れなかった。
2001年公開の仲間由紀恵・伊藤英明の両氏が主演した映画「LOVE SONG」は尾崎豊の楽曲が主要なピースとして登場する作品だが、これを観てちょっと損をしたという気になった。リアルタイムで聴いておけばよかったと。
映画のエンディングで使われていたのが「Forget-me-not」。
歌詞は僕と君の恋愛が厳しい状況にあることを綴ったもの。
僕は夢・未来を追う、君は足元・現実を大切にするタイプで、僕は君に合わせるように地に足をつけるようになっていると思わせる。それでも僕は、君を僕に合わせるように強いることもありそうだ。タイトルでもある勿忘草は足元、小さな幸せの象徴だ。
「僕」がどういうキャラクターなのか、分かるのが以下の部分。
初めて君と出会った日
僕はビルの向こうの空をいつまでもさがしてた
僕からこの傾向が完全になくなるような気がしない。僕から「ビルの向こうの空」、すなわち夢・未来を取り上げることは、多大なストレスになりそうだ。故に二人の未来に暗雲が見える。
以上が私の解釈。
この曲に完全に打ちのめされて、「ビルの向こうの空」はどのあたりからイメージを得たのか気になって青学周辺、旧東邦生命ビルのレリーフのあたりを散策したことがある。当時は旧東邦生命ビルのテラスまで来ると視界が開けたので、渋谷のあの辺りなのかなと勝手に想像した。
映画「LOVE SONG」は彰子(仲間由紀恵)の高校最後の夏休み、モラトリアムの終わりとフリーター・松岡(伊藤英明)の夢の終わり・夢の残骸を描いたもので、佐藤信介監督の劇場映画デビュー作。
大人になっていく彰子と、そこで流れる「Forget-me-not」のシーンは大変美しい。私は楽曲だけでなく、この映画も好きなのだ。
