布団と一体化した朝
小学校1年生の秋のこと。
私は昔から寝相が悪かった。あ、今でも悪いと思う。
寝るときはちゃんと布団をかぶって寝ているのに、朝になると決まって布団がどこかへ行ってしまっている。
母が夜中にそっと布団をかけ直してくれるのだけれど、私は無意識のうちに蹴っ飛ばしたり、手で払いのけたりしていたらしい。
寝相って、自分でコントロールできないから仕方ないんだけれどね。
後に行くことになる修学旅行も、寝相が悪いせいでちょっと憂うつだったのを覚えている。
そんなある朝のこと。
目が覚めた私は、どういうわけか起き上がれなかった。
出ようとしても出られない。身体が布団から抜け出せないのだ。
「え?どういうこと??」
よく見てみると――
なんと、掛け布団と一体化していた。いわゆる“す巻き”状態。
私は海苔巻きの具みたいに布団でぐるっと巻かれ、しかも軽く紐で縛られていた。
「えぇぇぇ!?」
驚いている私の横で、母が当然のような顔で言った。
「布団はぐから、縛っておいたのよ。風邪ひいたら困るでしょ?」
そう言いながら、母は淡々と紐をほどき、私を布団から解放した。
す巻きにされたのは、後にも先にもこの一度きり。
でも、そんなことする??と、今思い出してもツッコミたくなる出来事だ。
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昭和の記憶、これからも少しずつ綴っていきます。