哲学断章「なぜ哲学者は独我論に陥るか」

たとえ考えがアプリオリに真でも、人は後からその考えと一致する事実を探し出してしまう。

思考は現実そのものではない。独我論の問題とは、外界の実在性と主観の超越論的構成を混同してしまうところから生じるのだ。

仮に思考が実在と一致したとしよう。ところが、その実在とは、実在全体の一側面に過ぎないのだ。

このことから、思考は実在全体ではない、つまり、現実ではないという命題が帰結する。

ある哲学者が「生とは、アポステリオリなものである。」と言うとき、それが意味しているのは外界の広大な実在性を"受け付ける"超越論的構成の存在を意図してのことなのだ。

いいなと思ったら応援しよう!