寝る前10分に読む大人の童話
こんばんは(?)ワタリドリです。
今回の童話は「他の人との関係」をテーマに書きました。
…難しいですよね。誰もが一度は悩むことだと思います。
そんな人間関係について、私が自分なりに考えたことを童話にまとめさせて頂きましたので、子供の方も大人の方も気軽な気持ちで読んで下さればと思います。
それでは、楽しいひと時をお過ごし下さいませ!
深い深い藍色の夜空には、沢山の星が浮かんでいます。白く光るもの、オレンジのもの、赤色のもの、青白いもの。
そんな星たちが織りなす夜空は、さながら女王様のドレスのように、美しくきらめいています。
さて、人はそんな星空に魅了され、「等星」や「星座」などをつくりました。
おとめ座、さそり座、おおいぬ座、オリオン座など、皆さんがよく知っているものもあれば、
ポンプ座、とけい座、ぼうえんきょう座など、一風変わった名前のものもあります。
たいていの星は、この「星座」に含まれているのです。
しかし、当然星座に含まれない星もあるわけで_
今日は、そんな星のひとつである、とある六等星の話をしていきたいと思います。
『いっぴき星のロンリィ』
この世界の星空には、星座というものが存在する。
仲の良い星、話の合う星同士が集まって、線を結ぶ_それが星座だ。
そしてのちにその集まりを、地上の人々が見つけて名前をつける、という訳だ。
たいていの星は何かしらの星座に含まれていて、夜、地平線の向こうから出てくると、星たちは星座内でいつもぺちゃくちゃとおしゃべりをはじめる。
そのおしゃべりを、人間は「星がまたたく」と言うのだとか_
星はその寿命が尽きるまで、夜にまたたき、朝は眠る、そういった毎日を過ごすのである。
しかし、周りの星と合わない星、うまく関わることのできない星、一つでいるのが好きな星などもいる。
そんな星のひとつ、他の星からロンリィと呼ばれている六等星がいた。
ロンリィの話をしよう。
ロンリィとは、「寂しい」「ひとりぼっち」などという意味。これは、群れないロンリィへの中傷をこめたものであるが、案外、本人は気に入っていた。
そんな〝いっぴき星〟のロンリィは、今夜もひとりで空へと昇る。
季節は冬。
空がより澄んでいるので、六等星であるロンリィも夜空ではそれなりに目立つ。
「みて、ロンリィ」
「またひとりで昇ってる」
周りから聞こえてくる星たちの囁き声。
それを気の毒に思ってか、1番近くにいた五等星がロンリィに声をかけてきた。
「ねぇ、きみもぼくらと話す?」
ロンリィを思ってのことだったが、それがロンリィには「偽善」にしか感じられない。
「いい」
つっけんどんに言葉を返すロンリィ。
その様子を見ていた星たちが、また囁きはじめる。
ロンリィはひとり、思っていた。
なぜ自分は他の星と合わないのか。線を結べないのか。
なぜだろう。トモダチが欲しくないわけじゃないのに。
その夜もロンリィはひとりで昇り、沈んでいった。
数日後。ある、夜のこと。
いつも通り、ロンリィが空へと昇っていくと、珍しいことに、ひとつの薄い雲が浮いていた。
「やあ、こんばんは。ぼくはクラウディ。きみは?」
雲はぷかぷかと浮きながら、ロンリィに挨拶してくる。
「こんばんは。…ぼくはロンリィ」
雲は、星たちの中では嫌われ者だった。
自由気ままで神出鬼没。そして何より、星の光を遮ってしまうからだ。星はプライドが高い。
雲と話すロンリィを見て顔をしかめる星たち。でも、クラウディと話すのは楽しかった。
クラウディは、自分が見てきた世界のことを話してくれた。
どこまでも澄み渡る青い空。広い広い海。楽しそうにのびのびと羽ばたく鳥。
ロンリィは、すっかりその話に引き込まれた。特に、自分の見たことのない昼の空の話には。
「昼の空は本当に水色なの?藍色じゃなくて?」
他人と普通に会話できていることに、ロンリィは自分でも驚く。
「本当だよ。夜も星が光ってきれいだけど、昼は水色の空に真っ白な雲が浮いてきれいなんだ」
「へえ」
ロンリィはすっかり感心する。
水色の空に白い雲。見てみたいな。
でも、その願いは叶わない。星は夜しか光れないのだ。
「ねぇ、もっと詳しく_」
「あっ」
ロンリィの言葉を遮るように、クラウディが短く声を上げた。
急に、強い風が吹き始めたのだ。
「どうしたの?」
ロンリィが怪訝そうに尋ねる。
クラウディが風に流されてゆっくりと移動し始めたのだ。
「ごめんね、残念だけどさよならの時間だ」
「え?」
「バイバイ、ロンリィ!」
クラウディはそう言って笑いながら、どんどん、風に流されてゆく。
待ってよ、と叫ぶロンリィの前で、クラウディはどんどん風に流されていき_そして消えた。
ロンリィは何も言わず、その様子を見ていた。
今夜初めて、ロンリィは誰かと話すことの楽しさを知った。自分と違う考え、意見に触れ合えることの面白さ。共感されることの嬉しさ。
周りからは、楽しそうに話す星たちの瞬きが聞こえてくる。
星なんか大嫌い。プライドが高いのも、自己中心的なのも、妙に団結力が高いのも。
誰とも線を結べない。
いや、誰とも線を結ぼうとしてこなかった。
自分はひとり、出遅れてしまったのだ。
心にぽっかりと穴の空いてしまったような絶望と後悔、そして喪失感。
ロンリィはひとり、堕ちていった。
もし、生まれ変わることができたなら。
そのときは、水色の昼の空で、のびのびと生きてみたいな。
そう、願いながら。
その夜、地上からはひとつの流れ星が観測された。
その姿を見た人は、ごくわずかだった。
それから、ずっと後のこと。
澄み渡るように美しい水色の空で、二つの雲が仲良さそうに浮いていた。
その二つの雲のうちのひとつは、昔星だったらしい_と言う噂は、他の雲と鳥たちの間で有名だ。
ロンリィはロンリィであっても、きっともう、ひとりぼっちの〝ロンリィ〟ではない。
いかがだったでしょうか。楽しんで頂けましたか?
私がこの童話を通して伝えたいのは、「自分を見つめてみることの大切さ」です。
友人や家族との関係に悩む時には、ひとりになって自分を見つめ直してみることも大切です。
自分になにか、原因はあるのか?
これは、人間関係以外の悩みについても同様です。
私も何か悩み事にぶつかったときはそうやっています。…というか、気にしいの性格であるため、しょっちゅう悩んでいます、、、
そして、改善できることがあれば改善してみる。
それでも解決しないようであれば、思い切って、環境を変えてみるのも良いかもしれません。
これが、無責任でお気楽な『クラウディ』としての私の立場から言える唯一のことです。
それでは、最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました!
もしも気に入っていただけましたら、是非、他の記事・物語も読んでみて下さい。
それでは、またお会いしましょう!
おやすみなさい、良い夢を!!
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