総合型選抜は「いい人」では受かりません
「いい人ですね」で終わってしまう人は、もったいない結果になることが多いです。
少しドキッとする言い方かもしれませんが、これは総合型選抜においてとても大切なポイントです。
総合型選抜を受ける多くの受験生は、真面目に勉強してきて、部活動にも一生懸命取り組み、周囲からも「いい人だね」と言われることが多い人たちです。つまり、すでにとても頑張ってきた人たちです。
そして、その延長で「これだけ頑張ってきたのだから、きっと評価してもらえるはず」と考えるのは、とても自然なことです。
ただ、ここに少しだけズレがあります。
総合型選抜は、「いい人かどうか」を見る入試ではありません。
では、何を見ているのでしょうか。
大学が知りたいのは、「この人は大学でどんなことを学びたいのか」「その学びにどんな意味を持っているのか」という点です。
つまり、人柄そのものよりも、「考え」や「学びへの姿勢」、そして「これから何をしたいのか」が見られています。
そのため、どれだけ真面目で印象が良くても、「大学で何をするのか」が伝わらなければ、評価にはつながりにくいのです。
ここが、総合型選抜の少し難しいところでもあります。
このズレは、自己推薦書によく表れます。
多くの人が、「これまで頑張ってきたこと」を中心に書きます。たとえば、部活動に一生懸命取り組んだことや、仲間と協力して目標を達成した経験などです。どれも素晴らしい経験ですし、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、そのあとにもう一歩が必要です。
その経験から、何を感じたのか。どんなことに疑問を持ったのか。そして、それがなぜ自分の進みたい分野につながるのか。
ここまで言葉にできていないと、「いい経験ですね」で終わってしまいます。
面接でも同じです。
しっかり答えているつもりでも、話が一般的な内容にとどまっていたり、自分の考えとして深まりきっていなかったりすると、少し質問を深くされただけで言葉に詰まってしまいます。
それは能力が足りないからではなく、「まだ整理しきれていないだけ」です。
では、合格する人は何が違うのでしょうか。
一番大きな違いは、「自分なりの考え」がはっきりしていることです。
なぜその分野に興味を持ったのか。なぜその大学で学びたいのか。そして、学んだことをこれからどう活かしていきたいのか。
それらがつながって、一つの流れとして話せる状態になっています。
これを「ストーリー」と呼ぶこともできます。
ここで大切なのは、特別な実績があるかどうかではありません。むしろ、これまでの経験をどう受け止めて、そこから何を考えたのか、その“考え方”が評価されます。
では、「いい人」で終わらないためにはどうすればいいのでしょうか。
大事なのは、自分の経験に「意味」を与えることです。
ただ頑張った、ではなく、「なぜ頑張ろうと思ったのか」「その中で何に気づいたのか」「そこからどんな疑問や興味が生まれたのか」を、少しずつ言葉にしていくことです。
そして、その興味や問いを、大学でどう深めていきたいのかまで考えてみてください。
そこまでつながったときに、「この人は大学で学ぶ意味がある」と伝わります。
総合型選抜は、「いい人」が受かる入試ではありません。
でも、「いい人」がダメというわけではありません。
「いい人」で終わらずに、「何をしたい人か」まで伝えられるかどうかが大切なのです。
これまで頑張ってきたことは、すべて強みです。
あとは、それをどう言葉にするかだけです。
「いい人ですね」で終わるのか、それとも「この人を迎えたい」と思ってもらえるのか。
その違いは、あなたの中にある考えを、どこまで丁寧に言葉にできるかにかかっています。
焦らなくて大丈夫です。一つひとつ、自分の経験を振り返りながら、自分の言葉で整理していきましょう。
それが、そのまま合格につながっていきます。
