IR新時代:AIに「作業」を任せ、人間は「対話」へ
ログラスCFOの伊藤です。クラウド経営管理システムを主業とするログラスですが、2025年12月9日「Loglass AI IR」という新しいプロダクトをローンチしました。2つ目のプロダクトである「Loglass人員計画」は、広義の経営管理領域に属するものでしたが、今回のAI IRは明確に経営管理領域の外にあるプロダクトになります。
前職の証券会社で上場企業のIR活動に15年以上関わり、今も非上場企業ではあるものの投資家との対話を行っている立場として、このプロダクトがもたらすIR新時代の可能性をnoteに書きたいと思います。
製品ページ:https://www.loglass.jp/ai-ir
IRは「コスト」ではなく「ファイナンス戦略」である
そもそも、皆様の会社において「IR」はどのように定義されているでしょうか。 まだまだ「投資家への広報活動」「決算資料の作成業務」と捉えられていることもありますが、本来IRの役割は全く異なります。
IRの本質は、資本コスト(WACC)の低減を通じた企業価値の最大化にあります。
企業価値評価(バリュエーション)の基本式であるDCF法に基づけば、企業価値は、将来生み出すキャッシュフローを割引率(WACC)で割り引くことで算出されます。
例えば、永遠に毎年フリーキャッシュフローを1億円生み出す会社のWACCが5%なら、その会社の事業価値は20億円です。一方、WACCが20%ならば、その会社の事業価値は5億円と計算されます。すなわち、WACCが低い方が事業価値は高まることになります。
分子になるキャッシュフロー(あるいは利益)は当然ながら多くの企業が意識をしているところであり、それを実現するために日々試行錯誤をしています。これを手助けするのがログラスの経営管理クラウドであり、多くのお客様のご好評をいただいています。
一方、分母である「資本コスト」の改善(低下)への意識はまだまだ十分とは言えない状況だと思っています。実際、この課題感が東証による「資本コストを意識した経営」推進のベースになっています。
「情報の非対称性」が株価を割り引く
投資家は、実態が見えないもの(不確実性)に対して、リスクプレミアムを要求します。 「この会社は本当に成長するのか?」「ガバナンスは機能しているのか?」 企業と投資家の間に情報の非対称性がある限り、投資家はより高いリターンを求め、結果として株価は割り引かれます。
同じ事業であっても、事業の透明性が高い会社はリスクが低く、事業が見えにくい会社はリスクが高いということになります。投資家にとって、既に見えている業績悪化はリスクではないのです。もし業績悪化が明確なら、株を買わなければよいですし、空売りをすれば儲かります。投資家にとってのリスクは、不確実性であり、それが株価の変動率(ボラティリティ)となって表出します。
ここでIRの出番です。 なるべく正確かつ誠実に情報を開示し、対話を重ね、情報の非対称性を解消する。それにより投資家の安心感が高まれば、リスクプレミアムは低下し、WACCが下がります。 つまり、優れたIRとは、言葉とデータを使った「財務戦略」だと言えます。
ボトルネックは「作業」にある
理論はシンプルです。しかし、実行は容易ではありません。 WACCを下げるための「質の高い対話」を実現するには、膨大な準備とフィードバックのループが必要です。
投資家からの鋭い質問(「なぜこの事業に投資するのか?」「資本効率が悪くないか?」)を正確に捉え、それを経営会議に持ち帰り、経営戦略を磨き上げる。このサイクルこそが重要です。
しかし、現実のIR現場はどうでしょうか。 年間数百件に及ぶ1on1ミーティング。その議事録作成、Q&Aの整理、社内共有用レポートの作成……。 優秀なIR担当者が、これらの作業に忙殺され、本来向き合うべき投資家との対話や経営へのフィードバックに時間を使えていない。
これは単なる業務効率の問題ではなく、「WACCを下げる機会の損失」という、極めて大きな経営課題です。
IRの現場に対する十分な理解のもとで練り上げられたAI
こうした課題に対し、ログラスの提示するソリューションが「Loglass AI IR」です。
議事録ツールは世の中に多く存在しますが、IR部門の方々が満足する議事録ツールは殆どありません。それはIR特有の会話内容やシチュエーションを理解してプロダクトが作られていないからです。
我々は、IR現場のリアルを理解するために十分に時間をかけ、真に使えるAIソリューションとするために磨きをかけました。
最初に「Loglass AI IR」を使ったとき、衝撃を受けました。証券会社時代に、企業のIRミーティングに同席し、議事録を取り、投資家からの質問をカテゴライズし、投資家からのフィードバックをまとめていた時間は何だったのかと。
面談予定の投資家の概要をブリーフィングする際に「〇〇年にロンドンで〇〇氏によって設立されたヘッジファンドで、ファンダメンタルズを重視したボトムアップローチを投資戦略の特徴に据えています」といった表面的な情報しか伝えられない時に感じた無力さは何だったのかと。
AIがミーティングの議事録を自動で作成するだけでなく、対話内容の分析やレポーティングまでやってくれるのを見て、過去の自分の苦労が走馬灯のように蘇り、同時に「これからのIR担当者は、もっと本質的なことに時間を使える」という嫉妬に近い希望を感じました。
人間は「対話」へ
AIに任せられることは、徹底的に任せればいい。 Loglass AI IRが「対話の記録と整理」という重荷を背負ってくれるおかげで、人間(IR担当者やCFO)は、投資家のインサイトを読み解き、より良い経営を実現するための「対話」に集中できるようになります。
「AIに作業を任せ、人間は対話へ。」
これこそが、PBR1倍割れが叫ばれる今の日本市場において、企業価値を向上させるための1つの方策だと私は考えています。
ファイナンス戦略としてのIRを加速させたいCFO、IR責任者の皆様。 ぜひ一度、当社のチームが作り上げたこのソリューションに触れてみてください。いちユーザーとして、自信を持っておすすめします。
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Loglass AI IR 製品ページ:https://www.loglass.jp/ai-ir
