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空虚なアキヒロの日常①

オレはアキヒロという。今年11月で59歳になる加齢臭オヤジである。
大阪の島本町に住んで京都の会社に通っている。通勤は阪急電車である。
この歳になってもまだまだ自立していない。実家に住んでいる。年金暮らしの80代の親が食事を作ってオレは食わせてもらっているのだ。働かなくても年金がもらえるってのは夢のようだねと揶揄したことがある。その時は母親は悲しそうな目でオレを見た。けれどもこんなに年老いては、楽しみなんてもう無いだろう。美味しいものも要らないし、旅行なんてのも面倒だと言う。母はいつも家で横になってテレビを観ている。使わなくなった足腰は加速度をつけて弱っていくのだ。あと何年生きてくれるのかちょっと心配だ。

オレの食べるものが無くなるだろ。ほんと最低な男。自分でもそう思う。

毎日毎日オレは阪急電車に乗って会社に通って、今やらなくてもって言う緊急度の無い、要するにくだらない仕事をやっている。こんな想いで仕事をすると更にやる気なんて無くなって面白くない。目を開けて寝る特技を身につける。オレぐらいになるとそんなの簡単だ。

この歳になるとアイドリングのために会社に通って昼飯食って帰るだけの毎日。ベル鳴る10分前からソワソワしてトイレ行ってウンコしてから帰る。オレは家ではウンコはしない。なぜならばトイレが汚れるのと、家のトイレットペーパーが気に入らない。
母がラムーへ行って格安のトイレットペーパーを買ってくる。これなんか硬い紙だがすぐ破れるし最悪品質だ。

会社のペーパーは普通だけど家のものよりケタ違いにいい。たまに帰り間際にリュックに予備ペーパーを何個か入れて帰るのだ。

外注業者のトイレ掃除おばさんはそれに気づいている。

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