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映画「夜明けのすべて」 優しい光に、もう一度触れてみて。【映画感想文】

この作品を映画館の暗闇で一度、そして今回は自宅の少し明るい部屋で —— Amazonプライムで配信されていたので、もう一度観てみました。
二度目の『夜明けのすべて』は、せっかくなので登場人物たちの感情に関心を寄せながら観てみたいと思いました。

この物語が、どんなだったかなどの細かいことは、以前書いた記事に託したいと思います。



ささやかな行動に隠された、心の機微

二度目の鑑賞で特に心に残ったのは、登場人物たちの何気ない行動に隠された、繊細な感情の動きでした。

例えば、山添くんが上司とのビデオ通話中にサイクリングマシンを漕ぎ、通話が終わるとすぐに降りる場面。あれはきっと、「僕は健康ですよ」という彼なりの精一杯のアピールだったのではないでしょうか。パニック障害を抱えながらも、社会との繋がりを必死に保とうとする彼の切実さが伝わってきて、胸が締め付けられました。

また、忘れ物のスマートフォンを藤沢さんに届けるため、山添くんが会社の作業着を羽織るシーン。
彼は「栗田科学」という社名を背負うことで、ここが自分の居場所なのだと認め、それを外で着ることを自分に許したように思えました。
その帰り道で、自転車を抱えて公園の階段を上る姿から、以前、藤沢さんが自分のためにしてくれた苦労を、身をもって理解した瞬間だったのだと思えました。
このように、一回目の鑑賞ではさらりと見過ごしてしまっていた瞬間が、色々あったのだなと嬉しくなります。

残酷さと優しさが同居する世界

しかし、この映画は、世界の残酷さから目を逸らしません。パニック障害の人のブログがテロップで流れる中、無情にも電車が走り去っていくシーンは、その象徴と言えるかもしれません。電車に乗れなくなった人の告白と、走り続ける電車の対比は、あまりにも鮮烈です。
また、登場人物の周りから「死」と言うものが取り除かれてはいない、というのもこの作品が残酷さと優しさが混在する世界を確かなものにしている気がします。

病気や死を遠ざけるべきものとしてではなく、人生の側にあるものとして描いている。と言うのが、二回目の鑑賞を終えての私の率直な感想でした。

そして終盤、藤沢さんがお母さんを見送るシーンで降る雨。一度目の鑑賞では雨が降っているのかどうか判然としなかったのですが、確かに雨は降っていました。
それは、冒頭で彼女が雨に打たれて倒れていた暗く鬱々とした場面とは対照的に、どこか優しく、新しい始まりを予感させる明るい雨だったように思います。


居場所を見つけた二人の、その先へ

物語は、劇的な解決を迎えるわけではありません。それでも、藤沢さんと山添くんは、互いを理解し、支え合うことで、それぞれの「夜明け」へと、ゆっくりと歩みを進めていきます。友達でも恋人でもない、けれどかけがえのない同志のような関係。そんな二人の姿は、私たちに「助け合う」ことの本当の意味を教えてくれるようです。

病気や障碍は、決して特別なことではありません。誰もが、何かしらの生きづらさを抱えながら生きています。この映画は、そんな私たち一人ひとりの心に、そっと寄り添ってくれるような作品です。

もしあなたが、少しだけ生きることに疲れてしまったなら、ぜひこの映画を観てみてください。きっと、藤沢さんと山添くんのささやかな日常の中に、明日を照らす小さな光を見つけられるはずです。

あなたが好きなシーンやセリフがあれば、ぜひ教えて下さい😊



更新日:2025/10/25

筆者:棚島 香帆汰(プロフィール
映画好き小説も書いてます


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個人的には映画の方が好みなのですが、原作もあるよ~ という事で、示しておきたいと思います。

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