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『モーレツ社員』が『社畜』に変わった日

終身雇用は国家統制の産物で、定年は年金財政の都合だった。

では、「会社のために猛烈に働く」という価値観は、どこから来たのだろうか。調べてみたら、これも「時代が作ったもの」だった。

1968年、「モーレツ」が生まれた

1968年(昭和43年)、丸善石油のCMに「オー、モーレツ」というキャッチコピーが登場した。

会社のために猛烈に働く社員を「モーレツ社員」と呼ぶようになったのは、このころだ。

時代背景は、いざなぎ景気(戦後最長の好景気)の真っただ中。
働けば働くほど、給料が上がった。
長時間労働には、明確な見返りがあった。

1989年には「24時間戦えますか」(リゲインのCM)が流行語になった。
「企業戦士」という言葉も生まれ、猛烈に働くことが、男の勲章だった時代だ。

なぜ「モーレツ」が成立したのか

モーレツ社員を支えていた構造は、3つだ。

終身雇用:長く働けば、会社が一生面倒を見てくれる。
年功賃金:我慢して働き続ければ、給料は上がり続ける。
専業主婦モデル:家庭は妻が守る。夫は外で戦うだけでいい。

この3つが揃っていたから、猛烈に働くことに合理性があった。

バブル崩壊で、「モーレツ」は「社畜」になった

1991年、バブルが崩壊した。
同じように猛烈に働いても、給料は上がらなくなった。

中高年はリストラの対象になった。
会社への忠誠心に、見返りがなくなった。

すると、同じ「猛烈に働く」という行為の意味が、まるで変わった。
「モーレツ社員」は「社畜」と呼ばれるようになった。

言葉が変わったのではない。
見返りが消えたのに、同じ行動を続ける姿への、社会の見方が変わったのだ。

見返りが消えたのに、同じ忠誠を続ける必要はないかもしれない。
これは、今の自分の環境にも当てはまりそうだ。

自分は転職組だから、プロパー社員の気持ちはわからない。
でもプロパー社員がたちの忠誠心が、どこか変わってきているのを感じる。
どこかのタイミングで堰を切るように変わっていく予感がある。

どうやら。昔の「アタリマエ」に、現代の合理性がないことは確かなようだ。一人ひとりが自分の道を決めなければならない時代が近づいていることは確かだ。

──Horizon太郎

次は、「大企業が、黒字のまま人を減らし始めた」を書こうと思う。

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