243話 LaLaLaさん企画 この二つのダリ風を小説に 参加作品 弐の巻 ポルトリガートの海 The Sea of Port Lligat【波打際編】波打際スケッチ Sketches of the Shoreline ~AIと創る青春物語~
久しぶりにヨウイチロウ先輩が美術室に来た。
文化祭以来だろう。

その日は、ナビオしかいない。
「見てほしいと思ってな」
クジラのような、飛行船のようなものが空を飛んでいる。
いくつかの大きな目がある油絵だ。

「ダリですか?」
「うん・・・意識したんだが・・・俺が描くとダリにはならん・・・」
少し恥ずかしそうに言った

「いや・・・いいと思いますよ」
「そうかな・・・」
少しうれしそうな表情をした。
「でも、ダリってなんでこんな変な絵を描くんですかね?」

「うん・・・」
先輩は、少し考えるように下を見た。
「夢を描いているのではないかな・・・」
「夢?」
「あの夜に見る夢ですか?」
「うん・・・」
先輩は、少し考えるように窓の外を見た。
既に、考える頭の中に入り込んだようで、横にいるナビオのことは意識にはなくなっているようだ。
その横顔を、ナビオは見た。

ダリは夢の中で、
ポルトリガートの海を見ていた。
しかしその海には、
光がなかった。
青でもなく、黒でもない、白い波もない・・・

なにか・・・時間の色なのではないか
波はなく、風もなく・・・
世界が呼吸を忘れたような静けさにいる。
その静けさの中で、
海面にひとつだけなにかの影が浮かんでいた。

それは、まだ何も見ていない視線の始まるところの気がする
う~ん・・・・寝返りを打った時に目が開いた・・・
「ん・・・・夢か・・・・」

その余韻が消えないうちに・・・・
さっとそのイメージをデッサンした
まだ形になっていない視線の始まるところ・・・・
たぶん・・・何かの眼・・・・
眼ねえ・・・・
今日は、海に行こう・・・・

ダリは、ポルトリガートの海を思い浮かべると、
手を挙げて、大きく伸びをした。
マガジンに掲載いただきありがとうございます。
次の話
前の話
YouTube_yukariyajp 波打際スケッチ Sketches of the Shoreline
高評価、チャンネル登録をお願いいたします。
いいなと思ったら応援しよう!
ご覧いただきましてありがとうございます。少しずつ進めていけたらと考えております。よろしければ応援いただけると嬉しいです。