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[書評] ブルシット・ジョブの謎 - クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか -

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

今回は主に雇用労働にまつわる話である。

私は学校を卒業してから今まで、
会社員として働いたことしかないので
自営業やフリーランスとしての経験がない。

そのため そういう働き方には
明るくないのだが、
想像力を働かせてみると
あまり今回の話題は
当てはまらなさそうな気がする。

極論 何もしなくても
組織に属しているだけで
毎月の収入が保証されている立場と違って、
自身のやった仕事が
収入に直結する職業であれば
「どうでもいい仕事」「無駄な仕事」なんて
する意味を理解できないだろう。
(違っていたら申し訳ない)

だが、ひとりの雇用労働者の立場から
言わせていただくと、実際に
ブルシット・ジョブクソどうでもいい仕事」というのは
確かに存在しているのである。

それは私の所属する会社だけの話でも、
あるいは日本企業だけの話でもない。

もっと本質的なところに
起因する問題なのである。


どうでもいい仕事に なぜ報酬?

ここからは雇用労働者
(ここではサラリーマン、正社員)を
モデルに考えてみる。

たぶんに私自身の経験も
無意識に反映されるだろうが、
その点は ご了承いただきたい。

彼らは主にどのような契約で
仕事をしているのだろうか。

決まった仕事をこなせばOK?

もちろん、そういう契約で
働く人もいるだろう。

ただ、主流なのは
「会社の決めた日数やカレンダーで
 〇時~〇時の1日△時間 就業する」
といったものではなかろうか。

この契約、大事なのは
「△時間就業した」
という事実のみである。

もちろん あなたがこなした
仕事のクオリティは、
あなたの査定に影響を与えるだろう。

だが、極端な話
あなたの仕事のクオリティが
高かろうが低かろうが、
そんなことはどうでもいい。

契約上 あなたに求められているのは
「定められた時間に就業する
 (雇用者の指揮命令下に入る)こと」
なのである。

一見シンプルな話であるが、
これが「ブルシット・ジョブ」が
生み出される最大の理由である。

頑張り損

「頑張って仕事を早く終わらせると、
 仕事が早い人に 次々と仕事がまわされる」

職場を問わず、よく耳にする話である。

「自分に割り当てられた仕事を
 早く終わらせたのに、
 これでは頑張り損ではないか!」
と思わず言いたくなるであろう。

だが、思い出してほしい。

「あなたの仕事のクオリティが
 高かろうが低かろうが、
 そんなことはどうでもいい」のである。

あなたに求められているのは
「定められた時間に就業する
 (雇用者の指揮命令下に入る)こと」だ。

そう、あなたが仕事を効率的に終わらせれば、
雇用者は あなたの就業時間を
無駄にはしたくないから
新たな仕事を与えるのは
「契約上」非常に合理的なのである。

なぜなら「△時間」分の
給与を払っているのに
それより短い時間しか
仕事をさせなかったらば、
雇う側からしたら
非常にもったいない話だから。

それ故に雇用者は
「被雇用者を遊ばせておく」ことを嫌う。

その結果、必要のない仕事や
無駄な仕事であっても
「遊ばせておくよりマシ」とばかりに
与えられるのである。
(もちろん価値ある仕事を与えて
 負荷をかけることもある)

資本主義の弊害

だが、これはよく考えてみれば
不思議なことである。

歴史を遡ってみれば、
人間は必要な分しか仕事を
してこなかった時代の方が遥かに長い。

その日を生きるために
十分な食料や金銭を稼いだら、
あとは余暇を楽しむのが自然なはず。

いったい何故このような
歪な状態になったかと考えれば、
ずばり資本主義の影響は
非常に大きいであろう。

資本主義以前の世界では、
仕事があるときだけ雇われ、
必要な仕事が終われば
サヨウナラとなるのが普通だった。

ところが資本主義による
経営というものが広がってくると、
労働者は時間で管理されることが
一般的となった。

この変化は
ちょうど戦争でいうところの、
傭兵と常備軍の違いに
似ているかもしれない。

戦争のあるときに
必要な兵力を雇う傭兵の方が、
コストパフォーマンスの面では非常に良い。

まさか天下泰平で
周囲に脅威があるわけでもないのに、
高い金を出して傭兵を雇い続ける
変わり者はいないだろう。

その意味では、情勢にかかわらず
コストが生じ続ける常備軍というのは、
「コストパフォーマンスの面では」
大変に非効率である。

もちろん常備軍にも
大きなメリットはあるし、
それ故に各国が軍隊を揃えているわけだ。

(たとえば常備軍を持たない国なら、
 簡単に攻め入ることができるであろう)

常備軍の最大のメリットは、何よりも
「必要な時にすぐに働かせることができる」
ということ。

これがあるから他国は
容易に手を出すことができないし、
国民は安心して日常生活を送ることができる。

たとえ平和な毎日が続いているからといって
「我が国の軍隊は金の無駄だから、
 なくしてしまおう」
と言ったらならば、きっと遅かれ早かれ
平和な日々は過去のものとなるであろう。
(そうならないことが全人類の願いなのだが)

資本主義は常に成長と競争を
強いられるという意味では、
戦争に近い性質を持つ。

そこには
「雇用側の意図に応じて
 迅速に動かせる戦力」
が必要となる。

そのための常備軍である
「労働者」というのは、
来るべき仕事のためには
暇なときにも雇用者の手元から
解放されない運命にあるのだ。

まとめ

兎にも角にも「ブルシット・ジョブクソどうでもいい仕事」は、
「資本主義が生み出した負の仕事」
と言えるであろう。

もし この不毛な構図から
抜け出そうと思うのならば、
おそらく被雇用者の枠から
抜け出さなければならない。

あるいは今後「メンバーシップ型雇用」から
「ジョブ型雇用」への転化が進めば、
多少は改善されるかもしれない。
(それがいつになるかは分からないが)

私も他人事ではない。
果たして 私はこのまま
ブルシット・ジョブクソどうでもいい仕事」に
従事する日々を送っていていいのだろうか?

サラリーマンとして
生活している私としては、
斯様なことを考えさせられた本であった。

こんな人にオススメ!

・意義の感じられない仕事に日々苦しんでいる人
・雇用労働が抱える問題点に興味がある人

こんな人には合わないかも…

・雇用労働者の立場に興味がない人
・自営業やフリーランスで働く人

お読みいただき、ありがとうございました。

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