[書評] 鬼滅の刃
みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・エッセイスト・書評家 として、
自らを定義しています。
今回の書評は、令和の世に
一大旋風を巻き起こしたマンガ
「鬼滅の刃」である。
私は この先、この作品を思い出す際に
「新型コロナウイルス感染症」
がセットになるだろう。
ただ、それは単に
「コロナ禍でブームになったから」
というわけではない。
ちなみに当時、菅首相が国会で
「全集中の呼吸で…」という
答弁をしたときに話題になったが、
菅さんは 本作を
どんな風に読んだのだろう。
時の総理ともなれば
多忙であったろうし、
もしかしたら話題作りに
印象的なセリフを
拾っただけかもしれない。
もちろん、熱量の高いファンである
可能性も捨てきれはしないが。
私としては(原則として)
完結済の作品しか読まないので、
ブームに乗り遅れてしまった感がある。
それでも
なぜ コロナ禍で本作品が
あれだけ流行したのか、
そして未だにアニメが
盛り上がっているので
教養的な意味で
知っておこうという意味で、
今更 読むに至ったわけである。
(そして、イマドキの若い人たちとの
共通の話題欲しさという下心もあった)
人間が鬼になった現代
この作品の中では、
善良な市民が鬼にされると
彼ら自らも市民を襲うようになる。
それはさながら、
自分がウイルスに感染した途端に
周囲への感染源に立場が変わることを
彷彿とさせる。
作品中でも、自分が鬼にされ
意に反して家族を殺めてしまう者が現れる。
自分にとって大切な人を、
自分自身で殺めてしまう悲劇。
コロナ禍においても
自ら手を下したわけではないとはいえ、
家族や知人へ感染を広げてしまった と
やるせない思いをした方も
多かったと思われる。
日本では古来より「疫病」と「鬼」は
関連付けて考えられてきた。
コロナ禍に この作品が
とりわけ流行ったのには、
作品に登場する
「鬼」の存在があるのではないか。
救いがあるという保証はない
アニメの区切りでも分かるように、
本作は いくつかのエピソードに
ブロック分けされるが、
読んでみて感じたのは
「最後に救いがあるという保証はない」
ということである。
有名タレントの座右の銘
「生きてるだけで丸儲け」ではないが、
命を懸けた戦いであれば、
まずは生きているだけでも
いくらか救いにはなるだろう。
(中には「不本意ながら生き永らえてしまった」
ということもあるかもしれぬが)
だが、そういう意味でいえば
どのエピソードについても
「最後は救われる」という保証は
全くないのだ。
誰がどこでと事細かに書くと
ネタバレになってしまうが、
とにかく味方であっても人が死ぬ。
私もバトル漫画の類は
さほど多く読んだわけではないが、
ここまで主人公に近い味方が
次々死んでいく作品は あまり記憶にない。
(モブキャラの人数は除く)
考えてみれば、現実だって同じようなものだ。
漫画やアニメでこそ
「主人公補正」などといって
どんなピンチでも生き残れるが、
現実世界にそんなものはない。
(たとえ人生の主人公が
「あなた」だとしても)
あなたや私にとって
どれほど大切な人であっても、
明日…いや5分後に生きている保証すら
確実なものは何もない。
事故や事件に
巻き込まれた人たちもそうだが、
それまで健康そのものだった人々が
感染症によって
突如 命を奪われてしまう不条理。
今でこそインフルエンザと
同類に分類されたが、
その猛威に巻き込まれ
歯がゆい思いをした方も多いことだろう。
大切な人を失った方々には、
私のような者にはかける言葉も見当たらない。
それでも ひとつだけ、思うことはある。
今これを読んでいる あなた が
生きていてくれてよかった。
まとめ
新型コロナウイルスという「鬼」と
我々「人間」との戦い
この作品は 単にコロナ禍で
流行っただけでなく、
「コロナ禍」そのものを描いた
寓話ともいえるのではなかろうか。
もしこれがコロナ禍前に完結していたら、
「予言の書」扱いされていたかもしれない。
あるいは 今から数十年、数百年後に
この作品を読んだら、
疫病をモチーフにした作品だと
思われるかもしれない。
それがちょうどコロナ禍に
作品のブームが重なったところに、
歴史の不思議さを感じざるを得ない。
ちなみに話題作りとして読んだ者として
個人的に行き着いた結論としては、
「〇〇の呼吸」
「全集中(の呼吸)」
「よもやよもやだ」
「心を燃やせ」
あたりを押さえておけばいいかもしれぬ。
こんな人にオススメ!
・今からでもブームに追いつきたい人
・コロナ禍をマンガで振り返りたい人
・人生の儚さについて考えたい人
こんな人には合わないかも…
・コロナ禍を思い出したくない人
・バトル漫画が苦手な人
お読みいただき、ありがとうございました。
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