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[書評] 捕手異論

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

中学生の頃に野球にハマって以来、
一貫して捕手(キャッチャー)
というものに憧憬を抱いている。

初めて買って読んだ野球マンガが
「ドカベン プロ野球編」だったからか、
はたまた野村克也氏の著書
「野村ノート」を読んで
「キャッチャーって、
 こんなにいろんなことを
 考えているんだ」
と感動したからだったか。

いずれにせよ運動音痴に属する
自分にとって、そして
思索が趣味の自分にとって
「考えるポジション」ということが
たまらなく魅力的に思えたのだ。

たしか2001年の後半あたりから
本格的にハマり出し、
その後 約10年間が個人的なブームだった。
(今はスポーツニュースで結果を追う程度)

そんな時代に活躍した捕手のひとり、
元 千葉ロッテマリーンズ
里崎智也氏の著書である。


切れ味鋭い著者

私はセ・リーグではタイガース、
パ・リーグではホークスを
推していたので、氏の現役時代は
特別ファンだったわけではない。
「歌って踊れてパンチ力のある
 キャッチャー」
という認識はあったが。

氏について気にするようになったのは、
たまたまテレビでゲスト
(準レギュラー?)出演をしている
野球バラエティー番組を
たまたま見かけたからだった。

そしてその面白さに、
一気にファンになった。

おかげで野球熱が落ち着いた今でも、
その番組だけは
毎回しっかりと拝見している。

氏を見ていて私が惹かれる
一番の要因は、
やはりその鋭い物言いだろう。

世間(野球ファン界隈)で
セオリーと言われている意見に対して、
歯に衣着せぬ持論を展開して
観ている人を唸らせる。

たとえ相手が誰であろうが、
決して迎合しない態度。
見ていて非常に気分がいい。

これほど爽快感のある話をする野球選手、
そうはいないのではないだろうか。

切れ味の悪い筆者

実は私も勤めている職場においては、
似たようなところがある。
(ファンが多いところは
 残念ながら似ていない)

「自分に理がある」と思ったことは
臆さず発言するし、
「ここは意見を曲げるべきではない」
と思えば言い合いも辞さない。

正直、それによって
煙たがられているのも感じている。

同じ部署の同僚ならば賛同を得られても、
上司や他部署にはウケが悪い。
「やり方がヘタ」とはよく言われること。

周りは(一見すると)
優しい人ばかりだから、
波風を立てずに穏やかにやり過ごせばいい。
そうすれば 毎日みんなとニコニコできるし、
きっと職場の雰囲気も良くなるのだろう。

たとえ仕事が納期に間に合わなくても
死ぬ気で挽回する必要なんかないし、
のらりくらりと
「頑張ってます」的な姿を見せればいい。

公務員ほどではないけれども
少なくとも私が還暦を迎えるまでは
潰れそうもなく安泰な会社、
まったくありがたい話である。

そんな日々に想うところが
あるからなのだろうか、
氏のキレキレの発言を聞くのが
溜まらなく楽しい。

プロ野球を観戦する人の中には
自分にはできないからこそ
選手に感情移入して楽しむ人も多いが、
まさしく私が氏のファンになったのは
斯様な状況あってのことなんだと思う。

実力主義の世界だからこそ

そもそも野球は団体競技であり、
ひとりでは出来ない。

その昔、ノーヒットノーランしながら
自分で決勝ホームランを打って
「野球はひとりでもできる」
と宣った偉人もいたらしいが。

個人競技ならば
どれだけ尖っていても関係ないだろうが、
団体競技において
自チーム内の人間に対して
歯に衣着せぬ物言いで
生き残れるものなのだろうか。

事実、氏は生き抜いた。
もちろん結果が出てくるまでの間は
指導者や先輩に遠慮した部分も
あったかもしれない。

だが、少なくとも
結果を伴うようになってからは
コーチだろうが先輩だろうが
怯むことない態度を貫いた。

思うにプロ野球界という
究極の「実力主義」の
世界だったからこそ、
このような態度が
通用したのではないか。

プロ野球は結果が全て。
文字どおり
「勝てば官軍、負ければ賊軍」の世界。

結果を出さぬ者が、
やれ「立場が上」だの
「慣例はこうだ」だの言ったところで
結果を出した者の前には
何の説得力を持たない。

私が悩んでいるのは、
実力主義とは名ばかりの
年功序列式の組織の中にいるからなのだ。

その組織に属して
メシを喰っている以上、
そこで我を通すことは歓迎されない。

自分の意思を主張したいのならば、
実力主義の世界に生きるしかないのだ。

毎回 氏の出演している番組を見て
氏の著書を読んで、
ふと そんなことを考える。

そうだ、これは書評だった。

表題にもあるとおりキャッチャーとして
球界を生き抜いてきた氏の野球論が、
「らしさ」全開で紹介されている。

この本に関しては
野球に関する議論が多いので、
野球に明るくない人には
ピンとこないかもしれない。

そんな人には同氏の
「エリートの倒し方」
という著書もオススメだ。

こちらは今回紹介している本よりは
野球に明るくない人にも楽しめる。

…書評の体裁を取り繕おうと
別の著書まで取り上げて、
ますます収集がつかなくなってしまった。

迷いのあるリードや投球は、
得てして痛打されるもの。

やはり歯切れよく
終わらないとダメだなぁ。

こんな人にオススメ!

・里崎智也ファン
・野球談議が好きな人
・歯に衣着せぬ物言いが好きな人

こんな人には合わないかも…

・氏の野球観を受け付けない人
・ハッキリ物申す人が苦手な人
・旧来の野球観を絶対視している人

お読みいただき、
ありがとうございました。

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