[書評] 新訳 バブルの歴史 - 最後に来た者は悪魔の餌食
みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。
私はここ半年くらい note で
朝のつぶやきを投稿しているのだが、
ただ おはようと言うだけなのも
つまらないから
「今日は〇〇の日」的な
小ネタを添えている。
いつもお世話になるのは
Wikipedia の
「今日は何の日」の項
なのだけれども、
つい先日は 約400年前にオランダの
チューリップバブルが弾けた日らしい。
私は世界史が好きなのだが
このチューリップバブルの
話も割と お気に入りで、
それこそWikipedia の同項を
何度か読んだほどである。
今回は Wikipedia をきっかけに、
昔 読んだ本を引っ張り出してきた。
理解に苦しむ
世界史の何が楽しいかといえば、
当時の世界に思いを馳せて
想像を楽しむことである。
それは 17世紀のオランダで起きた。
ウイルス起因の
(というのは後世で
分かったことだが)
不思議な模様の花を
咲かせるチューリップから、
その「球根」を巡って
バブルが発生した。
チューリップ自体が
当時 珍しかったこともあり
元から それなりに
人気と需要はあったらしいが、
とりわけ不思議で
見る者を魅了する模様の花に
「皇帝」だの「提督」だのと
大層な名前がつけられたことも
人々の欲望を
刺激したのかもしれない。
結果、チューリップの球根ひとつに
数か月から数年分の賃金に
相当する値が付いたとか。
まだ球根は土の中にある
(前からだったかもしれない)
先物取引での話である。
紹介がてら ここまで
書いてきたものの、
やはり理解に苦しむ。
生活必需品でもないし、
どんなに美しかろうが
所詮は花である。
何故そんなものに
数か月分とも数年分ともいわれる
金額を支払おうと考えたのか。
ただ 当時の彼らの言い分を
聞くことができるなら、
その答えは
至極 単純明快なのだろう。
「高くても、
もっと高値がついて売れるから」
そう、誰もチューリップなんて
興味はない。
彼らが興味を持っていたのは、
あくまでも売買で生じる
利益でしかなかったのだ。
売れば儲かる。
儲かるから買う。
行動原理は ただこれだけ。
買い手がいる間は問題なかった。
あらゆる資産を担保にしても買った。
だが、彼らは忘れていた。
次に買う者がいなくなれば、
この狂騒は
終わりを迎えるということを。
春が近づいた2月3日、
ついに高値で買う者は
現れなくなった。
それまでに売り抜けた者たちは、
さぞ笑いが
止まらなかったことだろう。
きっと周りにドヤ顔で
儲け自慢をしていたに違いない。
対照的に 最後に
球根(の権利)をつかんだ者は、
いったいどんな思いで
暴落を見ていたのだろう。
きっと市場は
賑やかだったに違いない。
ただし笑顔や活気ではなく、
阿鼻叫喚の嵐で。
人類の愚かさ
今のところ記録が
残っている中において、
このチューリップバブルが
人類最初のバブル経済だという。
そう考えれば、その当事者たち…
特に損害を被った者たちは
可哀そうである。
人類史上初めての騒動に
巻き込まれた被害者なのだ。
私たちは後世に生きて
歴史を知っているから
その理屈も分かるが、
彼らにそれを求めるのは
酷な話である。
だが、残念なことに
その後も歴史は繰り返す。
南海泡沫しかり 暗黒の木曜日しかり。
斯くいう私たち日本人だって、
昭和から平成にかけて
バブル景気に踊り狂った。
(私は幼児だったから踊ってないが)
この本では
チューリップバブルから
日本のバブル経済、
そして20世紀末の
アジア通貨危機までが
まとめられている。
どの狂騒をとっても同じだ。
盛り上がっている最中にあっては
この勢いが
永遠に続くものだと思い込み、
熱が冷めれば
「あのときはどうかしていた」
と振り返る。
(もっとも、生きていればの話だが)
… 先ほど
「残念なことに」といったが、
やっぱり嘘だ。
少なくとも この本を読んでいて、
私は残念になど思っていない。
むしろ楽しかった。
どれだけ大きな悲劇を経験しても、
度々 人類は似たような過ちを繰り返す。
人類とは、
なんと愚かな生き物なのだろうか。
「愚者は経験に学び、
賢者は歴史に学ぶ」
とよく言われるが、
世界は愚者で溢れている。
この本の原書が出された後でさえ、
リーマンショックが起きているのだ。
私も その愚者のひとりとして、
読み進めれば読み進めるほど
人類というものが愛おしくなった。
チューリップ柄を見る度に
私が資産運用を始めたのは
世界金融危機の後だったから、
常にどこかで
「そういうもんがある」
と思っているふしがある。
だから どれだけ
株価が上がろうと、
仮想通貨が値上がりしようと、
人生を賭けるようなことは
しようと思わない。
それでも日経平均株価は
三十数年ぶりに
史上最高値を更新し、
「貯金は損だ」という声が
広く聞かれるようになった。
私は別に市場が大暴落しても
慌てふためきはしないと
思っているが、
きっと世間には そうではない人も
少なくないのだろう。
ちなみに 私の一番
お気に入りのネクタイは、
昔 アムステルダムの空港で買った
赤いチューリップ柄である。
そのネクタイを見る度に
次は いつバブルが
弾けるのだろうかと、
いつ阿鼻叫喚の嵐が
起きるのだろうかと、
内心ワクワクしてしまう。
なにしろ それが弾けるまで、
私たちは自分が愚かだということを
実感できない生き物なのだから …
こんな人にオススメ!
・バブル経済について興味がある人
・バブル経済の歴史を学びたい人
・投資や投機している人
こんな人には合わないかも…
・心地よい夢から覚めたくない人
お読みいただき、
ありがとうございました。
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個人が愚かであれば、個人が上手くいかぬだけ。だが リーダーが愚かであれば、チーム全体が上手く機能しなくなる。たとえ どれだけ良質なメンバーを揃えようとも、だ。だからこそ リーダーたる者は、常に研鑽を怠るべきではないのだ。優秀な彼らを 無能な集団に変えてしまわないために。
— Naseka@令和の哲学者 (@philosopher_018) January 15, 2025
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